現代自動車 中国責任者らを販売不振で更迭 7月▲32.7%減の衝撃

現代自動車グループ(現代・起亜)は18日、中国の事業首脳部を電撃的に更迭した。
低迷する中国事業は、現地企業の攻勢で最近占有率が大幅に下落、役員人事で正面突破をはかる。
現代・起亜車は今回の人事に続き下半期のうちに新車を中国市場に投入すれば二桁の占有率を回復するとみている。

<経験豊富な社内専門家を重用>
今回の人事では中国市場をよく分かっている最高経営責任者(CEO)が重責を引き受けた。華僑出身で中国事業の経験が多いタム・ドグェン四川現代商用車副社長が、中国事業を総括する中国戦略担当に異動した。
タム副社長は役員に昇進した時からずっと現代車の中国事業を担当してきた。現代車と起亜車北京事務所長をつとめた後、現代車中国事業副本部長と中国戦略事業部長、現代車グループ中国担当副社長などを経て、昨年から商用車を生産する四川現代販売担当副社長で仕事をしてきた。タム副社長は長年中国事業に関与して中国の政財界に幅広い人脈を持っているという。

新しく北京現代車代表を務めることになったイ・ビョンホ現代ウィア副社長は、現代車内の代表的営業・マーケティング専門家で中国での販売量拡大の役割を担当する。
以上、

現代自はBMWなどから高額でカーデザイナーを引っこ抜き、デザインは優秀でなろうが、中国勢はそうした車両が発表されるや否や瞬く間に真似して、現代自が販売前に中国勢が先に販売することになるだろう。
性能も主力車の中国勢のエンジンは、現代自と同じ三菱製のGDIエンジンを搭載しており、機構部分の品質が良くなれば、瞬く間に韓国勢は中国勢に追い立てられるようになる。
中国での販売価格は、中国勢車が韓国勢車より3割ほど安く、一番安い価格帯での販売となっている。韓国勢車は、欧米日車より2~3割安く販売されており、中国勢の品質レベルが上がり、デザインも良いことから、韓国勢の車がターゲットになっている。
背景には、経済低迷もあり、安価な中国民族系メーカーの車両が売れている。
現代グループは、こうした販売不振に8月から大幅値引き販売を行っている。
(米・独系も販売不振に喘ぎ、ディーラーが値引き攻勢をかけている。しかし7月ではその効果が出ていない。ディーラーは一定以上売上台数がなければ、メーカーからの販売奨励金が入らず、販売奨励金欲しさに大幅値引き販売しているという。それに対抗した現代自Gの動きである)
なお、日系車の伸びは、中国人訪日観光客増に見られる反日の薄れと新車攻勢にある。

中国自動車市場   万台/前年比
2015年
中国民族系
韓国系
日系
独系
合計
2013年
722.20
157.75
293.06
337.25
2198.41
11.4%
17.7%
15.3%
18.0%
13.9%
2014年
757.33
176.61
309.52
394.09
2349.19
4.1%
12.0%
5.6%
16.9%
6.9%
2015年1月
86.78
15.94
24.35
44.62
231.96
21.5%
-9.0%
-3.1%
12.3%
7.6%
2月
60.52
11.85
14.76
30.42
159.33
19.7%
0.9%
-16.0%
-0.8%
-0.2%
3月
81.92
16.25
26.21
33.34
224.06
21.3%
10.2%
-0.1%
-3.4%
3.3%
4月
68.64
14.62
27.48
31.09
199.45
14.3%
2.5%
5.4%
-9.6%
-0.5%
5月
63.31
12.90
28.78
30.76
190.38
8.2%
-9.9%
14.1%
-9.9%
-0.4%
6月
57.08
9.77
29.24
28.56
180.31
-0.1%
-29.0%
8.3%
-11.5%
-2.3%
7月
49.42
8.42
25.66
24.57
150.30
5.1%
-32.7%
22.4%
-20.6%
-7.1%
1~7月累計
467.88
89.76
176.49
223.35
1335.33
13.6%
-9.2%
4.9%
-5.6%
0.4%
・商業車含む、資料は中国汽車工業協会ほか、米系・仏系は省略

 

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