自動運転でホンダ グーグルと提携 ウェイモ社

自動運転の開発競争が激しさを増す中、「ホンダ」は「グーグル」の自動運転の開発を担うウェイモ社と、ドライバーが全く関与しない完全自動運転の実用化を目指し、共同研究に向けた検討を始めたことを明らかにした。
自動運転の開発で単独路線を取ってきたホンダがグーグルと手を組むことで世界的な競争は一段と激しさを増す。

発表によると、ホンダはグーグルの持株会社の傘下にあるウェイモが持つ自動運転用のセンサーやソフトウエアなどをホンダ車に搭載し、アメリカ国内の公道でドライバーが全く運転に関与しない完全自動運転の実用化に向けた実証実験を進めることにしている。

ホンダは、巨額費用と時間がかかる自動運転の技術の開発を、これまでほぼ単独で進めてきたが、得意のIT技術を駆使して完全自動運転の実現を目指すグーグルと手を組むことで世界的な競争で優位に立つ狙いがある。

一方、グーグルは、自動運転の分野で、すでにアメリカのフィアット・クライスラーと提携していて、新たな仲間を増やすことで自動運転システムのソフトウエアをできるだけ多くの自動車メーカーに供給し、主導権を握ろうという狙いがある。

自動運転をめぐっては、トヨタや日産をはじめ世界の自動車メーカーが開発を加速させており、ホンダとグーグルが共同研究に乗り出すことで世界的な競争は一段と激しくなる。

グーグルが強みとしているのが、車自身が周囲の状況を把握してどう動くかを判断するのに欠かせない人工知能の技術。
人工知能が走行実験で得られた膨大なデータを読み込み、実際の道路状況にあわせて車を動かす自動運転システムのソフトウエアを開発していて、この分野でほかの自動車メーカーを大きくリードしている。

グーグルは今年5月、大手自動車メーカーフィアット・クライスラーと提携を発表し、自社以外の車にも自動運転のソフトウエアを搭載して走行実験を始めている。
さらに、今月には自動運転の開発チームを独立させて新会社「ウェイモ」を立ち上げ実用化に向けた準備を加速させている。

自動運転4レベル。
1、ハンドル、アクセル、ブレーキのいずれか1つが自動化されているのがレベル1、
すでに多くの自動車メーカーが実用化しています。自動ブレーキはこのレベル1に相当。
2、複数の操作を自動で行うのがレベル2、
3、原則すべてが自動化されているものの運転席にドライバーがいる必要があるのがレベル3。
今、自動車メーカーが開発にしのぎを削っているのがこのレベル2から3。
4、ドライバーも必要なくすべてが完全に自動化されているのがレベル4。
グーグルが目指しているのはこの4レベル。グーグルは完全自動運転の実用化を目指してアメリカ国内で公道でのテスト走行を繰り返し行ってデータを集めていて、走行距離は地球90周分を優に超える370万キロに達している。

あわせて読みたい