３月の現代・起亜自動車の世界販売状況　中国と米国での減少

by kazo · 2017年4月17日

＜中国市場＞

昨年７月に韓国がＴＨＡＡＤの配備を決定し、中国が貿易制裁を徐々に強化、中国ネット民も同調し、過去の日本の尖閣問題当時と似た不買の様相となっている。

ただ、北朝鮮問題では、米国が中国に対して圧力をかけており、韓国に対しては、これ以上の強化はなされないものと見られる。ただ、ネット民たちが世論を創り上げており、韓国批判を縮小させなければ、韓国車の販売台数の減少は長引くものと見られる。

懸案事項としては、韓国の現代＋起亜は１８０万台しか売っていない中国市場で、工場新設を続け今年中にも２８０万台の生産キャパとなる（キャパ30万台の重慶工場完成予定）。２兆円を投資してソウルに本社ビル等複合施設を建設中であり、こうした工場負担も経営を圧迫するおそれもある。

中国における民族系の販売は、今年に入っても２桁増を続け好調を維持しており、性能面・デザイン面の総合でも韓国勢と格差もなくなってきている。さすが韓国勢のコスパも中国では民族勢に分があり、韓国勢は体制を再建させなければ、そのまま中国勢に飲み込まれてしまう恐れもある。

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＜中国市場での現代自動車グループの販売推移＞

＜米国市場＞

３月まで５ヶ月連続して前年割れとなっている。米市場では昨秋からほとんどのメーカーがかなりのインセンティブによる販売合戦を繰り広げ、韓国勢も値下げ攻勢に出たもののほかのメーカーへ流れたようだ。

昨年の米市場は０．４％の微増に留まり、今年に入ってからは３ヶ月連続してマイナスを記録している。販売不振の中での販売合戦では韓国勢のコスパの魅力は半減し、大幅な販売台数減に至っているものと見られる。

ただ、今後は新型車の投入もあり、ある程度は盛り返すものと見られる。

＜その他の海外＞

インドではマルチスズキに次ぐ存在まで成長させ、モンタリゼーションの波に乗っている。ブラジルやロシアは経済低迷から立ち直りつつあり、上向いている。ドイツでも強い。

＜↓　現代ソナタ・ニューライズ（上）と起亜スティンガー＞

現代＋起亜車は今秋開催の上海ショーで新車３モデルとフェイスリフト１モデルなどなどを発表する。現代車は小型ＳＵＶと中型セダンのフェイスリフトを、起亜車は小型セダンと小型クロスオーバー（ＣＵＶ）を公開するという。