現代自動車の四半期決算と上半期および今後の動向

現代自動車が23日発表した4~6月期の連結決算は、本業の儲けを示す営業利益が、前年同期比▲16.1%減の1兆7,509億ウォン(約1,864億円/0.1064円)だった。

 新興市場の通貨安などが影響して5四半期連続の減少となったが、減少幅は1~3月期(▲18.1%)よりも若干縮小した。
 売上高は、前年同期比0.3%増の22兆8,216億ウォン、当期純利益は同▲23.8%減の1兆7,904億ウォンだった。
世界市場での販売台数は、前年同期比▲2.8%減の123万2,943台となった。
一方、上半期の業績は、売上高が前年同期比▲1.4%減の43兆7,644億ウォン、営業利益は同比▲17.1%減の3兆3,389億ウォン、当期純利益が同比▲13.8%減の3兆7,737億ウォンだった。
販売台数は前年同期比▲3.2%減の241万5,777台。
以上、第2四半期と上半期の決算状況
韓国紙は現代自動車の業績について、円安が影響した、底を打ったと報道している。しかし、日本で販売しているわけではなく円安にはまったく関係ない。また、底を打ったとしているが、大票田の中国では、全体が伸び悩む中、中国勢が大きく販売台数を伸ばしており、また、同社は新車の販売時期を秋商戦に向けており、6月は新車攻勢をかけた日本勢との狭間で販売台数を大きく落としている。こうしたことから、7月・8月も販売不振に陥る可能性がある。
<韓国の政治や韓国人が販売の足を引っ張る恐れ>
韓国は、日本はおろか、世界に向けて喧嘩を売っている。特にネットの世界では、何でも韓国起源説に、中国ネット民=購買層は大いに韓国ネット民や偏狭の韓国紙および学者を嫌っている。
(中国では、人権や政治批判については、言論統制により表現できないことから、ネットでは、日本や韓国についてのやり取りが一種の娯楽となっている。韓国の場合は、失業率が高く仕事にも付けない暇人の憂さ晴らしに反日記事が多く投稿されており、マスコミもそれを煽っている。両国ではそうした違いがあり、中国のネット民の情報は決して侮れない)
こうしたことは、MERSにおける中国渡航者問題でも謝罪など一切しない韓国政府に対しても、また香港学生のマスク事件での交換留学生問題でも、中国や香港・台湾のネット民から今でも非難を浴びる結果を招いている。
明治遺産登録では、ユネスコ全委員国に対し国会議員たちが手分けして訪問し、反日告口外交を全面展開するなど、相手国がどう思おうとお構いなしに自国論の押し付け外交を展開させている。
これまでは、韓流テレビ番組とK-POPPで世界各国に文化移入に成功したが、相手国はだんだんうっとうしくなり、そうした影響が世界各国に浸透してきており、韓国の海外での商売に影響してくる可能性は大いにある。そうしたことからも今の韓国は、スマホやTV・自動車や韓流・K-POPPで培った信用を再構築が求められている。
韓国紙は全紙、何でもかんでも反日円安が影響したと書くことで自己満足記事を掲載しているが、韓国経済に大きな誤算を生じる恐れが高い。IMFや中国および韓国でも極一部の報道では、日本企業は円安を販売増に利用せず、内部蓄積に務めていると掲載している。ましてや、販売増できる領域はすでに韓国勢や中国勢に駆逐され、工場も多くを閉鎖し生産量も減らしてしまっている。日本の輸出数量が増加していないことがそれを裏付けているが、自動車などの生産は海外へ移転し、現地化を進めた結果にも起因している。
<韓国勢の販売主要国での販売動向>
中国・米国・ブラジル・ロシアの販売状況
1、中国市場の韓国勢(殆どが現代と起亜)の自動車販売台数は、6月は▲29.0%減の9万77百台。1~6月の上半期は前年同期比▲5.8%減の81万34百台だった。
中国の6月の自動車販売台数は、前年同月比▲2.3%減の180.31万台、上半期では前年比1.4%増の1,185.03万台だった。
2、アメリカでの現代自動車の乗用車販売台数は、6月は前年同月比0.1%増の67,502台、上半期は前年同期比1.8%増の371,150台だった。
(2)、アメリカでの起亜自動車の乗用車販売台数は、6月は前年同月比6.9%増の54,137台、上半期は前年同期比4.6%増の310,952台だった。
3、ブラジルでの現代自動車の乗用車販売台数は、6月は前年同月比▲1.7%減の14,102台、上半期は前年同期比▲4.4%減の77,849台だった。
また、代理店販売では、6月同比▲17.9%減の3,415台、上半期は同期間比▲18.8%減の19,372台だった。
 (ブラジルは経済低迷と汚職で揺れている)
4、ロシアでの現代自動車の乗用車販売台数は、6月は前年同月比▲26.7%減の12,289台、上半期は前年同期比▲11.3%減の79,444台だった。
(2)、ロシアでの起亜自動車の乗用車販売台数は、6月は前年同月比▲18.2%減の13,928台、上半期は前年同期比▲18.9%減の76,215台だった。
(ロシアはアメリカによる経済制裁と原油安のW攻撃で経済は激沈しており、韓国勢の落ち込みは少ない方だが、大きく落ち込んでいることに変わりはない)
欧州では、経済低迷下、検討しているほうだろう。しかし、欧州勢は韓国とのFTAを利用し、韓国での車販売を加速させている。こうした欧州車の輸出攻勢に本国ではこれまで圧倒的なシェアを有していた現代と起亜がシェアを落としているのが実情だ。
<現代自動車の今後と中国市場>
現代自動車の今後は、ブラジルやロシアでは経済自体が低迷(ロシア経済は沈没、ブラジルのGDPも2014年0.15%増から2015年は▲1.03%が予想されている)、中国の経済・消費低迷は韓国にとって1/4の輸出相手国だけに影響は大きく、自動車でも昨年は12.0%増の176万台を販売しただけに、今年の落ち込みは韓国経済にとっても大きいといえよう。
中国市場で一番気になるのは、中国勢の追い上げである。
2014年は4.1%増の757万33百台でシェア38.4%であったが、2015年の上半期は、前年同期比14.6%増と大きく販売台数を伸ばし、シェアも41.5%まで高めている。
2014年の中国全体の販売台数は、前年比6.9%増の2,349.19万台であった。また、2015年の上半期は前年同期間比1.4%増の1,185.03万台だった。
この追い上げは、習政権自らが昨年、民族系自動車業界を叱りつけた結果だろうが、景気低迷により消費者が価格の安い純国産車(民族系)を購入していることを意味する。
こうした民族系メーカーの販売台数増は、比較的価格の安い韓国車に影響を与えることが今後とも懸念されている。
<中国での日本勢>
こうした中、日本勢が第2四半期、中国市場で優位に駒を進めている。若者向け(トヨタ、カローラ・レビン)や大空間のSUV車(ホンダ、ヴェゼルやオデッセ)の新型車投入が奏功し売れていることにある。マツダの場合は値引きもせず、独自スタイルのデザインと性能で中国市場に食い込んでいる。
売れないからといって、過度に値引き販売し、販売台数は伸ばしたとしても営業利益を損ない、長くは続けられない。
やはり、車は世界共通に、価格、ランニングコスト(燃費+メンテナンス費用)とともに時々に変化していく売れる車造り(デザインと車両性能および安全性能)が必要となっている。
そうしたことが、今後の現代自動車にも求められているといえよう。
現代自動車では、2018年までに中国で2工場が完成し60万台(30万台×2工場)の生産増が計画されている。そのためにも現代自動車は中国人ユーザーに対して、絶対的な信用を確立させることが今後の大きな課題となる、中国でVWが、アメリカで日本勢が・・・のように。

※スマホ横持推奨

現代自動車の販売台数推移(海外含む)
四半期
 
2015年
2014年
前年比 
第2
6月
408,026
412,835
-1.20%
5月
389,299
416,026
-6.40%
4月
436,859
440,208
-0.80%
4~6月
1,234,184
1,269,069
-2.75%
第1
3月
436,819
433,185
0.80%
2月
359,982
380,919
-5.50%
1月
385,868
413,390
-6.70%
1~3月
1,182,669
1,227,494
-3.65%
上半期
1~6月
2,416,853
2,496,563
-3.19%
中国の自動車販売台数と韓国勢の販売台数
/万台
韓国勢
中国市場
販売台数
前年比
販売台数
前年比
2010
 
 
1,826.47
32.4
2011
117.23
 
1,841.89
0.8
2012
134.00
14.3
1,930.64
4.3
2013
157.75
17.7
2,198.41
13.9
2014
176.61
12.0
2,349.19
6.9
上半期
81.34
-5.8
1,185.03
1.4

 

以上、販売台数等の数値引用はマークラインズほか
写真は韓国で一番売れている車「Sonata」(中型セダン)

 

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