ホンダ 3%分補填 フィットEV納期4月以降になった場合  迷惑料として

ホンダは5日、2月のリコールの影響で新車登録が4月以降にずれ込み、5%で済むはずだった顧客負担の消費税率が8%となった場合、販売店を通じて「迷惑料」を支払う方針を明らかにした。
ホンダは迷惑料の額を明らかにしていないが、車両価格の3%相当額とみられ、消費税率の引き上げ分を実質補填することになる。
対象台数は数千台、迷惑料の総額は数億円規模になる。
対象となるのはリコールで2月の大半が出荷停止となった「フィット」と「ヴェゼル」のハイブリッド車(HV)モデル。
いずれも変速機の制御システムに不具合が見つかり、2月7日から26日まで出荷停止していた。
ホンダフィットハイブリッドは2013年9月6日販売開始されていた。
下記のようにほとんど同じ内容で3回リコールをしている。そのため、3回目は抜本的な対策を講じるものと見られる。

A、2月10日付のフィットEV車リコール分
1、不具合の部位(部品名):動力伝達装置(エンジン制御ユニット)

2、基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:
ハイブリッド車の7速DCT型自動変速機において、変速機内の1速ギヤのハブ上をスリーブが滑らかに動かないものがある。そのため、1速ギヤがかみ合わないために、発進不良(発進までに時間がかかる、発進しない等)、坂道でのずり下がり、加速不良(エンジンの吹け上がり)が発生したり、急に1速がかみ合うために、意図しない急発進等をする場合がある。また、メータディスプレイのシフトポジションが全点灯し、またはトランスミッション警告灯が点滅し、メータディスプレイに「トランスミッション点検」の表示がされることがある。

3、改善措置の内容:
全てのお客様に不具合の内容を通知し、当面の暫定措置として「Sモード」または、「SPORTモード」(原則として1速ギヤを使用しないスポーツタイプのモード)での使用や坂道で駐車ブレーキを使用することを注意喚起するとともに、車載のサービス診断記録装置を確認し、自動変速機のギヤが噛み合わなかったことが記録されている場合は、内部部品が損傷している可能性があることから自動変速機を良品に交換する(2月10日から実施)。但し、お客様から要望があった場合には、自動変速機の部品交換にて対応する。その上で、1速ギヤがかみ合いやすくなるようにエンジン制御ユニットのプログラムを変更する(2月27日(予定)から実施)。

4、リコール対象車:フィットとヴェゼルのEV車計81,353 台

B、12月20日付のフィットEV車リコール分
1、 不具合の部位(部品名): 動力伝達装置(自動変速機制御コンピュータ)
2、基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:
(1)7速DCT*型自動変速機を搭載した車両において、エンジン制御ユニット(ECU)のプログラムが不適切なため、低車速でアクセルをオフにした際、エンジンにかかるモータの充電負荷よりエンジン出力が低いため、エンジン回転数が低下することがある。そのため、エンジンの回転が不安定になりエンストするおそれがある。(停止後の再起動及び走行は可能)

(2)7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、トランスミッションドライバユニット(TDU)のプログラムが不適切なため、
ア、車両起動時にギヤチェンジ用アクチュエータの出力を監視している2種類のIC間でクロック精度に差があり、起動準備が完了しているにもかかわらず未完了と誤判断することがある。そのため、メータディスプレイのトランスミッション警告灯が点滅し、「トランスミッション点検」の表示が点灯するとともに、駐車状態から起動しなくなるおそれがある。

イ、車両起動時にプログラムが立ち上がる際、起動に必要な一部データを消去してしまうことがある。そのため、パワースイッチを押しても駐車状態から起動しなくなるおそれがある。

(3)7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、ハイドロスタティッククラッチアクチュエータ(HCA)のプログラムが不適切なため、クラッチの締結力を制御するピストンの移動量を検出するセンサが移動量を誤検知することがある。そのため、HCA内部異常と判断し、メータディスプレイのトランスミッション警告灯が点滅し、「トランスミッション点検」の表示が点灯するとともに、発進や後退ができなくなるおそれがある。
*DCT型:デュアルクラッチトランスミッション型

3、改善措置の内容:
(1)全車両、エンジン制御ユニット(ECU)のプログラムを修正する。
(2)全車両、トランスミッションドライバユニット(TDU)のプログラムを修正する。
(3)全車両、ハイドロスタティッククラッチアクチュエータ(HCA)のプログラムを修正する。

4、リコール対象車:フィットEV車36,100台
C、10月24日付のフィットEV車リコール分
1、不具合の部位(部品名):動力伝達装置(自動変速機制御コンピュータ)
2、基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:
7速DCT型自動変速機を搭載した車両において、自動変速機制御コンピュータのプログラムが不適切なため、モータ走行モードでの停車時に変速機内のドグとスリーブが噛み合わないことがある。そのため、トランスミッション警告灯が点滅し、メータディスプレイに点検表示がされるとともに、1速が噛み合わないと発進できなくなるおそれがある。または、2速が噛み合わないと奇数段変速での走行となるおそれがある。
DCT型:デュアルクラッチトランスミッション型

3、改善措置の内容:全車両、自動変速機制御コンピュータのプログラムを対策プログラムに書換える。

4、リコール対象車:フィットEV車 4,883台

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