開発段階から把握 GM13名死亡の点火スイッチ問題、 修理代5ドル

GMが約162万台をリコールした一部乗用車の点火スイッチの欠陥問題で、GMが乗用車の開発段階だった2001年に不具合を把握していたことが13日分かったと報じられている。
GMはこれまで、2004年に明らかになったと説明していた。GMが13日までに米道路交通安全局(NHTSA)に提出した報告書で明らかにした。一連の問題を調べるために収集した文書で判明したという。
今回のリコール問題については、議会や司法当局が調査を始めており、GMは組織的に隠していた可能性があり、また、議会ではリコールのトレッド法(2000年1月発効)をまとめあげたフレッド・アプトン議員(共和党、ミシガン州)が対応しており、予想以上に厳しいご沙汰になるおそれが高い。

リコール対象車は、
2005~2010年型の「シボレー・コバルト(Chevrolet Cobalt)」
2007~2010年型のポンティアックG5(Pontiac G5)。
2006・2007年型の「サターン・スカイ」と「シボレー・HHR」
ほか合計162万665台となっていた。

<リコール記事>
GMは2014年2月25日、2月13日の約78万台のリコール分も含め合計で162万665台リコールすると発表した。
事由は、走行中にエンジンが停止したり、衝突時にエアバッグが作動しなかったりする恐れがあるとして、北米などでリコールする乗用車の対象車種を広げたことにより増加したとしている。関連で31件の事故が報告され、計13人が亡くなっているという。
リコール対象車は、2003年型から07年型にまたがり、鍵を使ってエンジンを始動させる点火スイッチの欠陥が原因視されている。
なお、当該車は日本でも走っているが、日本の国交省へのリコールの届出は過去半年行われておらず、点火スウッチの仕様が異なるものと思われる。

<おかしなリコール改善方法>
2014年3月13日ロイター記事
GMは12日、エンジンを始動させるイグニッション・スイッチ(点火スイッチ)に絡んだリコール問題で、修理完了後も鍵のホルダーに重い物をぶら下げないようドライバーに求めた。
GMは道路交通安全局(NHTSA)に提出した文書の中で「当社は顧客に対し、自動車に付随する鍵や鍵のリング、(装着してあれば)キーホルダーのみを利用することを勧める」とした。
GMの広報担当者は、修理が完了していれば問題が再び発生する危険はないと指摘。
こうした内容の文書を提出した理由については、鍵に付着しているものが重すぎたり、大きすぎたりすれば、イグニッション・スイッチが「走行」ポジションから移動して(切れて)しまう恐れを排除できないと説明したという。
今回のリコール問題では、イグニッション・スイッチの不具合により、エンジンと、前部座席のエアバッグなどその他の部品の電源が突然切れる可能性が指摘されている。
問題の原因は、鍵にかかる荷重や道路状況などのためにイグニッション・スイッチが「走行」ポジションから外れるためとみられている。
以上。

「エンジンキーのキーホルダーにジャラジャラ重たいものを取り付けるな!」というGMの勧告であり、これで、改善方法が承認されるとは・・・。
今まで13名も死亡して、当局が乗り出さなかったのは、やはり、ロビー活動の成果なのだろう。ミスターアメリカ=GMであり、問題ないリコールはいくらでもやってきたが、肝心のリコールには、GMも当局も目を瞑ってきていたようだ。(トヨタは先の急発進問題で、戦えば勝つのに、心象を悪くすることから、先般米司法当局と和解して1000億円支払っている。日本車には昔から風当たりがきついことから、日本車の性能が向上したともいえる)

当リコールの改修にGMの部品業者は1台当たり2ドル~5ドルかかるとしている。(当然、最も安上がりな改修方法をとったと見られ、「鍵に重たいものを付けないこと」になっている。)(投資家はその改修コストの安さに胸をなでおろしているという)

0314_02

あわせて読みたい