BMWが中国では米国価格の3倍  米個人輸出で逮捕も 虚栄心の固まり中国

独自動車大手BMWの多目的車(SUV)「X5」の店頭表示価格は、米国では5万6000ドル(約577万円)超だが、中国ではほぼ3倍。米国で購入して中国に輸出すれば、手っ取り早く儲けることができる。
米国の連邦検察当局は、ここ数ヶ月間、こうした輸出に照準を合わせ、米国の港湾で高級自動車数十台を押収するとともに、数百万ドルに上る銀行預金口座を差し押さえた。
その上で、これらの行為は自動車メーカーが課す輸出規制をかいくぐり、ディーラーを詐くものだとして、ニューヨークやニュージャージー、サウスカロライナなど各州で提訴に踏み切っている。

こうした取引をめぐって自動車や資産を押収された夫婦の代理人弁護士によると、ディーラーで購入した後、輸出に回される高級車は毎年少なくとも3万5000台に上るという。

同弁護士は、依頼人の夫婦のビジネスは合法であり、政府は依頼人と自動車会社との民事紛争とみなされるケースについて刑事事件として扱うべきではないと主張している。
検察当局は、実際の購入者ではない者が、デイ―ラーや自動車保険会社に事実を曲げて説明するならば、詐欺に当たると反論する。
多くのディーラーは自動車購入者に対し、一定期間は輸出に回さないとの誓約を盛り込んだ契約書に署名するよう求めている。
検察当局は、買い手は自動車が直ちに輸出されるのを承知の上で署名していると指摘している。
ニュージャージー州ニューワークのウェイツ次席検事は、「嘘をついたりだましたりすれば詐欺だ」と話す。
輸出を通じた利ざや稼ぎを目的とする自動車購入の問題は、これまでのところ裁判では本格的には争われていない。
今春、高級車の輸出にからんで詐欺罪で起訴された2人の被告は有罪を認め、保護監察3年の刑を言い渡されたケースがある。

自動車メーカーは、走行する国に適正な装置や保証書を付けて販売するため、輸出禁止条項は必要だと訴える。
ダイムラーの子会社の米国メルセデスベンツの広報担当者は「購入者が自動車を他国に転売すれば、我々の価格や販売政策に悪影響を与える」と批判する。

裁判所の文書によれば、利ざや稼ぎで自動車を他国に転売する業者は、クレイグリストなどの求人ウェブサイトで、「2~3時間の仕事で数百ドル」のうたい文句で身代わりの購入者を募集する。そして、身代わりに小切手を渡し、どの自動車を購入すべきかを指示する。ほとんどの場合、購入者は表示価格通りを支払い、自分の名義で購入した後、近くの駐車場まで運転する。そこから、自動車はトラックに積まれ港湾に運ばれることになる。
以上、WSJ

中国でも人民網がこの問題を取り上げていたが、結局、BMWとBMWのディーラー(BMWが資本参加)が、有り余る利益を享受している。米国での購入価格に、中国の税金付加で2割~3割ほど高い価格が中国での販売価格のはずだが、高いから購入するという中国人の虚栄心丸出しの心理により、高くても売れることからBMWとディーラーは、ぼったくりを止めようとはしない。
反日暴動後、特にドイツと中国は仲良し子よし関係になり、EU経済をドイツ車が中国自動車市場で支えているのが実情だ。

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