ベンツ ディーゼル車300万台リコール 排ガス不正ソフト 欧州のみ

ベンツの独ダイムラーは18日、欧州で300万台以上のディーゼル車を無償で修理すると発表した。2億2千万ユーロ(約280億円)を投じる。来週から順次始める。
同社は12日に100万台以上のディーゼル自動車で違法な排ガス操作をしていた疑いがあると報じられた。早期に対策を打ち出し、事態の沈静化を狙ったものとみられる。
ディーター・ツェッチェ社長は声明で「世の中のディーゼルを巡る議論で顧客を不安にさせてしまっている。ディーゼル車の運転手を安心させる措置だ」と述べた。
ダイムラーは、独VWの不正発覚後、排ガス制御装置を修正するため独自に24万7千台をリコール(回収・無償修理)していた。

今回の措置は、その延長線上にあるという。
最新の排ガス規制の「ユーロ6」と一世代前の「ユーロ5」に対応したディーゼル車のほぼ全てが対象になる。
有力紙「南ドイツ新聞」は12日、ダイムラーが2008年から2016年までに欧州と米国で販売した主力車種が規制を大きく超過する有害物質を排出し、検察が調べていると報じていた。
以上、

欧州自動車業界で主導的は立場のドイツの政府当局と自動車産業の癒着がもたらしたもの。
ユーロ基準は、欧州当局が内緒に認めた裏の基準があり、ディーゼル車については、EGR(排ガス再循環装置)設置でエンジンが高熱になった場合、エンジンが破損するおそれがあり、エンジン温度が一定以上になった場合は、EGRの機能をプログラムで停止することができるとしたもの。

そのため、英国産の日産キャシュカイはエンジンルーム温度を35度に合法的に設定し、韓国当局から制裁を受けた。韓国での輸入ディーゼル車のほとんどは48度に設定されていたといい、キャシュカイだけが異常に低かったことから、制裁を受けた。(エンジンルーム温度は夏場の炎天下では、走行せずとも40度以上になる)。日産ゴーンは、英国で合法だと主張して反論していた。

ユーロ基準はEGRが機能している状態での計測値となっている。それも検査施設内のローラー上でのテスト走行での試験となっている。そのため、VWはローラー上の走行検査にだけ機能するソフトを導入、道路走行では、走行振動などによりEGRを機能しないようにしていた。それを米国の環境当局が発見し、VWの世界での排ガス不正の大問題となった。

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