脅しのトランプ 対自動車業界 屈服と反抗 GM・トヨタ・FORD・FCA

GMはメキシコ工場で生産している小型車に対して、高い国境税をかけると脅されているが、生産変更しないことを公言している。GMはメキシコ生産車は、僅かしか米国に輸入していないとしている。

フォードは、脅しに屈服し、即16億ドル出資計画のメキシコ工場を撤回し、今後4年間に米ミシガン州の工場に7億ドルを投資し700人を新規雇用すると発表している。
トランプは年齢からして1期と見られることから、かなり投資を抑えた撤回宣言となっている。

FCA(フィアット&クライスラー)は、ジープをメキシコで生産しているが、米国内の2工場に10億ドルを投じて設備の最新化を図るとともに、2000人の雇用を創出する計画を明らかにしている。

恐喝に屈したフォードとFCAに対して、トランプは賞賛し、成果を自画自賛している。

トヨタに対しては、「米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」とトランプのツイッター口撃が行われている。トヨタは、2019年完成予定でメキシコ工場の建設計画を発表していた。トヨタは、メキシコ工場計画を撤回しないものの、今後、米国内で5年間に100億ドル(1兆1600億円)を投資すると発表した。

ホンダはまだ、攻撃にさらされていないが、メキシコ生産を変更する考えはないことを表明している。

日本から輸出量の多い富士重工は、また、メキシコに新工場を稼動させたばかりのマツダの車両はどうなることやら・・・。

米国は、カナダ・メキシコと1992年から自由貿易協定のNAFTAを締結している。しかし、トランプは当条約を破棄すると言明している。
通常、こうした協定の破棄には、世界秩序から一定の期間を設けるが、まったく意に介せず、破棄するという世界の経済秩序をぶち壊す無法ぶりである。

米国民がこうしたイカレた人物を大統領に選出したことから、世界経済の先行きはまったく不透明なものとなっている。

ただ、トランプは景気が良いにもかかわらず大型減税を法人にも個人にも行い、また、大型公共投資も行うとしており、この2政策の思惑によりドル独歩高となり、株式市場も高騰している。

1月20日に就任後、教書発表、具体的な活動に入る3月ころには全貌が見えてこようが、その内容によっては連邦議会が、共和党内の反トランプ派と民主党が結託して承認しない恐れもある。そのときには、証券市場や為替市場は天と地がひっくり返る動きになる可能性もある。
トランプはかりは、政治も外交も経済も何を仕出かすかまったくわからない。
いちいちツイッターで何回ともなく、芸能人まで攻撃するなど金の玉やケツの穴は異常に小さいようで、感情だけで動くタチの悪い無法者のようである。
中国もすでに前哨戦だけで戦々恐々しており、外貨準備高を取り崩してまで元買いに勤しんでいる。
こうした点からも、すでに決着もついている70年前の戦前を持ち出し、感情だけをさらけ出しゴチャゴチャ文句ばかり垂れる韓国に対しては、THAADの配備の動向次第では、在韓米軍の撤退も含め何を仕出かすかわからない。
米韓の自由貿易協定FTAもTHAAD問題に関わらず、トランプの前では風前の灯となっている。

トランプの娘婿はユダヤ教徒で政権入りすることから、中東も再度パレスナに移行して火が付くおそれもある。
強いアメリカを目指すトランプは国連決議などお構いなしに行動するだろう。一応、トランプはドイツ・ゲルマン民族であり、国民に対して、ヒトラー流の洗脳術を持っているようだ。今時・・・。

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