中韓貿易収支岐路に 自動車の輸出激減 現地生産拡大だが販売低迷

韓国が中国へ輸出して大儲けしていた時代は、過ぎ去ろうとしている。中韓FTAを締結しており、鉄鋼輸入も拡大、自動車も商用車を中心に輸入されだしてきている。キムチは大腸菌規制で輸入一方であったが最近規制が緩和され、やっと韓国はキムチを中国へ輸出できるようになった。世界経済が低迷し、中国の過剰生産物が韓国へ流れ込んでいるようだ。当然、現代車の逆輸入車が韓国内で拡大するものと見られる。

韓国製完成車の対中国輸出が中国製完成車の韓国内輸入に初めて逆転された途中やう日報が次のとおり伝えている。
韓国の自動車業界が関税の壁を避けるために中国現地生産の比重を高めているのに加えて低価格を前面に出した中国完成車が速い速度で韓国市場を蚕食している。
7月21日、韓国産業研究院によると、今年1~5月の完成車の対中国貿易収支が170万ドルの赤字を記録した。1~5月の実績としては初めての赤字反転となった。
中国との貿易収支黒字は1~5月基準で2014年6億5070万ドルから2015年3億9800万ドルで大幅に落ちたが、今年赤字に反転した。月別では今年1月に230万ドルの初めての赤字を記録し、2~3月に黒字に戻って4月に再び440万ドルの赤字が出たため1~5月の合計もマイナスとなった。
車の対中輸出額が1~5月基準で2014年の6億7040万ドルから今年2680万ドルに25分の1に縮小したのが主な原因だった。2015年(4億2400万ドル)に比べると▲94%減った。

国内自動車業者のうち中国現地工場生産比重が最も大きいのは現代車。現在第1~3工場が稼動中であり第4、5工場を滄州と重慶にそれぞれ生産能力30万台の工場を建設している。韓国で生産されて中国に輸出される完成車は全体輸出量の10%未満。国内輸出物量を減らす代わりに現地生産量は車の、価格の22.5%に達する関税のため一層増やす計画。
現代車関係者は「メルセデスベンツ・BMWのような会社が中国現地生産体制を整えたのは関税問題と直結する」とし、「ジェネシスのようなラグジュアリーセダン以外は完成車輸出で利益を出すのが容易でない」と説明している。

加えて中国内需市場で中国業者との競争もますます激化している。韓国貿易協会によると、韓国車の中国現地生産は2014年178万台がピークで、その後昨年は169万台で▲5%減った。
産業研究院キム・ギョンユ研究委員は「中国現地での自動車ブランドパワーはドイツ、日本、韓国、現地業者の順だが現地業者の善戦により韓国業者が最も大きな打撃を受けている」と話した。
現代車も2015年の現地生産減少は、中国業者のスポーツユーティリティー車両(SUV)低価格攻勢によるものと分析している。上半期の中国SUV販売量は、前年同期比44.4%増の391万5千台を記録したが、このうち上海・長安・東風など現地ブランド自動車業者が52.3%の高成長を記録して市場占有率43%を確保した。

対中国輸出が大幅に減少している反面、韓国内に輸入される中国の完成車は2007~2015年に年間平均10.3%増加した。
中国企業等は技術やブランド競争力が重要な乗用車より、価格に敏感なミニバンや小型貨物車市場を攻略している。
中国北京自動車グループの車両を輸入販売する中韓自動車は、最近小型トラックと貨物車を韓国に発売した。
販売価格はミニトラックが1085万ウォン(約100万円)、ミニバンが1140万ウォン。現代車の1トントラック、ポーター2の最低価格(1430万ウォン)の75%水準に過ぎない。
大林(テリム)大学自動車学科のキム・ピルス教授は「1トントラックは韓国で現代車だけが生産して寡占形態を維持してきたため技術と価格競争力が遅れをとった」とし、「中小型完成車中心に中国との貿易赤字幅がより一層大きくなるだろう」と見通した。

一方、韓国業者の現地生産拡大は、中国の現代車ディーラーの反発も買っている。米国ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、中国内の現代車ディーラー30人余りが現代車の生産政策変更で販売が減るなど被害を受けているとし、9億人民元(約1530億ウォン)の賠償を要求していると20日(現地時間)報道した。
ディーラー代表のワン・ルンジョン氏は「昨年現代車で輸入した車両の販売台数は7000台に過ぎなかったが、今年は更に2000台減らす計画」とし、「会社の方針で多くの輸入車ディーラーが店舗を閉めている」と話した。
現代車の中国ディーラーは、現地で生産された車や韓国から輸入された車のうち一種類だけ販売することができる。
以上、
現代車も含め韓国勢は中国の自動車販売台数が増加する中、低迷している。しかし、5~6月は前年比で大きく伸ばしており、新車攻勢か、大幅値下げ攻勢か、それとも両方かしたようだ。昨秋は、新車攻勢を行ったものの、長続きせず今年になってさっぱり。新旧入れ替えのため旧式の大幅値下げ攻勢もいつまでも続けられるものではない。5~6月の増加は苦戦が続き、全車を大幅値引きしているようだ。

 

 

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中国における韓国系車の販売推移
/万台
販売台数
前年比
備考
中国全体
2011
117.23
 
 
0.8%
2012
134.00
8.7%
 
4.3%
2013
157.75
17.7%
 
17.9%
2014
176.61
12.0%
 
12.9%
2015
167.88
-4.9%
 
4.7%
 
 
 
 
 
2015/1
15.94
-9.0%
 
7.6%
2
11.95
0.9%
 
-0.2%
3
16.25
10.2%
 
3.3%
4
14.62
2.5%
 
-0.5%
5
12.90
-9.9%
 
-0.4%
6
9.77
-29.0%
 
-2.3%
7
8.42
-32.7%
バーゲンセール
-7.1%
8
9.62
-26.6%
バーゲンセール
-3.0%
9
13.23
-13.1%
 
2.1%
10
15.79
5.6%
新車攻勢
11.8%
11
18.02
11.5%
新車攻勢
20.0%
12
21.47
17.5%
新車攻勢
15.4%
2016年1月
12.39
-22.3%
 
7.7%
2
9.28
-21.7%
 
-0.9%
3
15.21
-6.4%
 
8.8%
1~3月
36.88
-16.3%
 
6.0%
4
14.22
0.5%
新車攻勢?
6.5%
5
15.05
16.7%
新車攻勢?
11.3%
6
14.69
45.5%
新車攻勢?
17.7%
4~6月
43.96
17.8%
 
 
1~6月
80.84
-0.6%
 
9.2%
・乗用車での集計

 

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