5月の中国の自動車販売 9.7%増と好調維持

中国の5月の新車販売台数は前年同月比9.7%増と、中国経済が減速するなかでも、政府の販売刺激策などにより堅調な販売を維持している。
中国自動車工業協会によると、5月の中国国内での新車の販売台数は、前年同月比で9.7%増の約209万17百台となった。1~5月の累計でも6.9%増の1075万52百台となった。
これは、SUV=多目的スポーツ車が根強い買い換え需要で大幅に増加したほか、落ち込みが続いていたセダンも政府の販売刺激策で、16リットル以下の排気量車の減税などの優遇措置を受けられ、小型車の販売が伸びたことなどによるもの。

業界団体が今年の伸び率として予測する約6%増を現時点では上回り、中国経済が減速するなかでも堅調な販売を維持している。

一方、国別の乗用車の販売台数では、日本車は前年同月比9.9%増の約31万6400台と国別のシェアでも17.6%となって、前月から1.5ポイント増えた。
中国の自動車業界の関係者は「政府の販売刺激策を受けた新車の需要の高まりを背景にメーカーどうしの激しい値下げ競争もやや一服している。減税措置が続く年末までは堅調さが続くのではないか」と話しているという。

なお、日本勢では、
トヨタは12.0%増の10万2,900台となり、5ヶ月連続で前年実績を上回った。「カローラ(Corolla、卡羅拉)」や「レビン(Levin、雷凌)」などの小型車が減税効果で引き続き好調に推移しており、SUV人気を背景に「RAV4」も好調を維持している。1~5月の累計販売は20.1%増の49万5,000台。

日産は3.4%増の10万6,100台。プラスは3ヶ月連続。減税対象となる小型セダン「シルフィ(Sylphy、軒逸)」のほか、SUVの「エクストレイル(X-Trail、奇駿)」などが引き続き販売を増加させている。1~5月の累計販売は1.3%増の50万900台。

ホンダは23.9%増の9万9,456台。単月では今年3月から連続して当月の過去最高を更新している。減税効果の小型車やSUV人気が貢献し、「フィット(Fit、飛度)」やSUV「ヴェゼル(Vezel、繽智)」「CR-V」などが1万台を突破している。1~5月の累計販売台数は15.0%増の44万5,835台となっている。

マツダは▲0.6%減の1万9,614台となり、2ヶ月連続で前年実績を下回った。1~5月の累計販売は▲1.2%減の9万7,391台。マツダは6月に新モデル「CX-4」を投入して巻き返しをはかる。

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