GM/新たに823万台リコール 計2900万台に 400円をケチったばかりに

GMは30日、点火スイッチの不具合を理由に、旧型モデルのコンパクト・中型セダンを新たに823万台リコール(回収・無償修理)すると発表した。
関連の事故が7件起き、3人が死亡しているという。
GMは同日、リコールの発表に先立ち、点火スイッチの不具合に関連した事故の被害者・遺族のために創設された補償基金の詳細を明らかにした。ただ、新たにこの日発表したリコールの被害者・遺族への賠償は含まれていない。
新たに発表されたのは点火スイッチの不具合に絡む2件のリコールで、点火スイッチ・キーが勝手に回転して点火スイッチが停止し、エンジンやブレーキ、エアバッグなどの作動停止につながる恐れがあるという。
対象となるのは、1997─2005年式の「シボレー・マリブ」と2000─05年式「シボレー・インパラ」など761万台のほか、2003─14年式のキャデラック「CTS」や「SRXクロスオーバー」など61万6179台。
GMは年初以降、2900万台をリコールとなった。このうち約1470万台が点火スイッチの不具合が理由。
GMはまた、第2・四半期に計上するリコール関連コストについて、これまで想定されていた額から5億ドル拡大する見通しであることも明らかにした。年初以降、現時点までの評価損は25億ドル(約2500億円)に達すると予想されている。
以上。

点火スイッチ問題は、10年前の開発段階から不具合が露見していたものの、頑固な開発技術者だらけで、部品供給のサプライヤーの意見も聞かず、たかが、改修の部品代が300円から500円しかかからないのに、そのまま製造させていた。その後のモデルチェンジなどでも一向に改善されず、死亡事故が発生しても問題意識もなく、隠蔽し続け、巨額なリコールとなった。そうした開発の主力者たちは今回の発覚で既に全員首になっている。
消費者団体が発表しているGMの点火スイッチ問題による死亡者数は数百名と発表されており、今後、リコールの費用とともに、桁はずれの訴訟が起きる可能性が高い。
トヨタにうるさい米道路交通安全局(NHTSA)もどうして、こうした問題を追及しなかったのだろうか。完全にGMのロビー活動による癒着としか考えられない。
今後、米自動車関連国会議員たちが、不満の鉾先を、日本車たたきに転ずる可能性もある。

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