ダイハツ/新型「COPEN(コペン)」6月発表販売へ

ダイハツ工業は4月1日、新型軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」に採用される新技術などについて発表した。新型コペンは6月中旬に発表される予定。

2013年の東京モーターショーで発表された新型コペンのコンセプトモデルは「KOPEN」と名付けられていて、市販モデルで使われる「COPEN」とは異なっていた。これはコペンのコンセプトモデルはこれまで「K」を使うことが習慣になっているためで、今回の新技術説明会会場では「COPEN」に変更になっており、市販モデルの登場が目前であることが名称からも伺える。

<消費税込200万円切る価格>
同社では、「新型コペンは、クルマ本来の走る楽しさ、持つ喜びをこれまでと違う付加価値をつけた商品として開発を進めてきた。価格帯についても消費税増税後も200万円を切る価格としてお客様にお届けしようと頑張っている」と価格について言及した。
2002年から2012年販売を終了させた初代コペンの最後のモデルの特別仕様車「10th アニバーサリーエディション」が180万円(4速AT。5速MTは182万円)だったことから、先代コペンと大きく変わらない価格で登場することが予想される。初代コペンは累計5万8400台販売。軽オープンスポーツカーという新しい市場を創造するとともに、男性のみならず女性ユーザーからも支持を得たという。

<開発>
新型コペンの開発は2010年1月にスタート、その開発時においては、軽自動車の存在価値をより一層高めるべく「低燃費・低価格」「安心・安全」という従来からの軽自動車本来の価値に加え、「高い走行性に裏付けされた『誰が乗っても楽しいクルマ』」「新しい価値とカタチによるクルマとの新たな関係」という新しい付加価値を与えることを目標とした。

<開発・いろいろ選べるデザイン>
その新しい付加価値を実現するために採用されたのが、ボディー構造を骨格と外板で切り分ける「DRESSFORMATION(ドレスフォーメーション)」と呼ばれる着脱構造を採用した。この構造により、新型コペンではボルト締め付けによる外板パーツを採用し、1つの骨格でありながら、スマートフォンのケースカバーのようにさまざまな意匠を車両購入後も楽しむことができる。
ドアとルーフをのぞき、フロントフード、ラゲッジ、フロント/リアバンパー、前後左右フェンダー、左右ロッカーパネル、フューエルリッドの11部品が交換可能となっている。
ドア以外の外板パーツの材質はすべて樹脂製、成形を容易に行えるとともに低コストで提供できるメリットがある。

なお、交換可能なパーツは内装にも及んでいて、インストルメントパネルやオーディオクラスターも変更できるポイントとして挙げられている。

<開発・安全性>
その一方で、スポーツカーとしてのボディー剛性を外板に頼らず骨格だけで確保するため、新骨格構造「D-Frame(ディーフレーム)」を採用。
このD-Frameは、新型コペンは高い走行性能を追求するだけでなく、新骨格+樹脂製外板による新たな価値を実現するために、骨格のみで剛性を確保することが必要だった。そのためフロント、サイド、リア、フロアの車両全体を一体化した構造とし、さらにフロア下のトンネル部やクロスメンバーなどを追加した。 これにより、初代コペンに比べ上下曲げ剛性で3倍、ねじり剛性で1.5倍という高いボディー剛性を骨格のみで実現したという。

車両重量は初代コペン(MT車)が830kgだったのに対し、新型コペンでは低燃費技術「e:Sテクノロジー」の採用や外板パーツの樹脂化などにより約75kg軽量化に成功したものの、D-Frameの採用などによって850kg(MT車。CVT車は870kgでともに社内測定値)となっている。

<開発・乗り心地>
スポーツカーとしての操縦安定性、乗り心地については
「接地感・フラット感が高くインフォメーションが伝わるハンドリング」
「リニアな操縦性と低慣性による一体感が生み出す乗りやすさ」
「高い限界に裏付けされた懐の深い操る感覚」
「どっしり安心の高速直進安定性による信頼感」
の4項目を特に重視。これらを実現するため、フロント・リアスタビライザー(フロントφ22、リアφ19)、横剛性を向上させたリアサスアームなどを採用している。

空力性能に関しては、特に操縦安定性を高めるために揚力バランスに着目。新型コペンでは、後輪の接地荷重を高めるために後輪側の揚力を初代コペン比で約60%低減させるなど、前後の揚力バランスを最適化することで、低速でも高速でも変わらない安定感のある走りを実現した。加えて、Cd値を約6%低減して燃費性能も高めている。

また、コペンの象徴である電動開閉式ルーフは引き続き新型コペンでも採用され、約20秒で全開/全閉が可能になっている。

<スペック、2種>
パワートレーンは、「タント」で採用している直列3気筒DOHC DVVT(連続可変バルブタイミング機構)ターボエンジン「KF-VET」と、7速スーパーアクティブシフト付きCVTまたは5速MTの組み合わせ。
最高出力は47kW(64PS)/6400rpm、
最大トルクは92Nm(9.4kgm)/3200rpmとなっている。社内測定値ながら燃費性能はCVT車が25.2km/L、5速MT車が22.2km/Lの予定。
前者はエコカー減税の75%減税に、後者は50%減税に適合予定。
6月発表時には、ダイハツ主導でアフターパーツメーカーなどと現在進めているオリジナルの外板部
品を製作するプロジェクトの詳細も報告するとした。
以上 Impress Watch参考

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