アップル/テスラ・モーターズ買収を打診か グーグル先行
電気自動車メーカーのテスラ・モーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は20日、米アップルと協議の場を持ったことを認めたとブルームバークが報道している。
イーロンCEOは協議の内容については明らかにしなかったものの、テスラが他の企業に買収される可能性は「非常に低い」と述べた。
米紙サンフランシスコ・クロニクルは今週、アップルが収益の多角化に向け自動車分野と医療機器に新たな成長の活路を求めており、アップルのM&A(合併・買収)責任者のエイドリアン・ペリカ氏が昨年、テスラのマスクCEOと協議を行ったと報じていた。
イーロンCEOは、ブルームバークの取材に対し、「競争力のある量産型の電気自動車の開発に集中し続ける必要がある」との立場を示し、「この目的からの逸脱につながるような買収に対しては、いかなる企業によるものであっても、懸念を覚える」と述べている。
20日のテスラの株価は、前日発表した第4・四半期決算が、一時項目を除いた利益が4600万ドル(1株当たり0.33ドル)となり、1株利益はアナリスト予想平均の0.21ドルを上回ったことに加え、アップルとの接触報道から、過去最高値を更新して取引を終えている。
買収はなくとも共同開発車が誕生する可能性は非常に高い。
<グーグルは>
グーグルは先行しており、2月6日にはホンダやGMなど車大手4社と米半導体大手エヌビディアが、グーグルの携帯向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」をベースにした自動車向け情報システムの共同開発に乗り出すと表明している。
グーグルのネット地図などの最先端サービスを音声や視線の動きを通じて車内で自在に扱えるほか、最新のヒット曲や動画なども楽しめるようになる。更にグーグルは自動運転車の開発をターゲットにしていると伝えられている。
グーグルは、すでに、独ダイムラーと組んで新たな車の使い方を提案。ダイムラーがグーグルのメガネ型端末「グーグル・グラス」や腕時計型端末など身につけて使う「ウエアラブル」と呼ばれる情報端末とクルマを連携できる技術を公開している。
グーグルは、2010年から自動運転車の開発に着手。これまで地球12周分に相当する30万マイル(約48万キロメートル)以上を自動走行する実績を持つなど先行している。すでに自動運転の中核ソフト技術である「人工知能(AI)」の最先端ノウハウを有している。今回発表した車載情報システムから自動車メーカーの懐に入っていけばより詳細な走行データが集められる。
日産も自動運転車を2020年までに販売すると表明しており、グーグルは2017年にも共同開発の自動運転車を市場に送り出す算段である。
頭脳を制すれば、メーカーが車体を作るだけ、スマホOSのアンドロイドのグーグルプレイのように、メーカーからごっそり利益を取り上げる算段だ。