1月のVW 3.7%増 15%増の中国が牽引 排ガス不正ベンツに飛び火

今年1月のフォルクスワーゲン(VW)の販売台数は、中国市場の販売好調により増加した。VWの主要ブランドの中国市場販売業績が、今年1月に過去最多を更新した。

欧州自動車業界誌『Automotive News Europe』(電子版)が伝えた。

VWが現地時間2月12日に発表した声明によると、同社(計12ブランド)の今年1月の出荷台数は、3.7%増の計84万7800台に達した。

VWの昨年12月の販売台数は▲5.2%減となり、通年の販売台数は2002年ぶりに減少した。

VWは別の声明の中で、今年1月の出荷台数が2.8%増の52万1400台に達したとした。同月の中国市場販売台数が15.0%増と激増した。(店舗の在庫増がはけ、出荷台数と販売台数の差が大きく出た)。

VWの販売は、中国市場で好調だが、排ガス不正問題の影響により、欧米での販売台数が減少している。(VWは中国では以前からガソリン車しか製造していない)

(中国での自動車販売好調は昨年10月施行された自動車取得税の減税10%⇒5%によるもので、いつまでその効果が続くか不明。VWはかなり値引きして店舗在庫処理を進めたようだ)

 

VWの欧州市場での販売台数は▲3.1%減、ドイツは▲5.2%減、米国はさらに▲15.0%減となった。ロシアは不景気もあり▲43.0%減、ブラジルも不景気もあり▲28.0%減。

VW以外のブランドの販売台数は、今年1月に増加した。

ポルシェの1月の販売台数は24.0%増、アウディは4.0%増、シュコダは5.2%増、セアトは0.2%増。

VWは1月に、VW、アウディ、シュコダ、セアトの850万台の排ガス不正車のリコールを開始した。

VWはまた、米国の監督管理部門と車の修復問題で協議しているが、長距離検査を要求する米当局と難航している。

VWセールス&マーケティング担当取締役のユルゲン シュタックマン氏は声明文の中で、VWにとって最大の課題は排ガス不正車のリコールだとしている。

以上、報道等参照

 

昨年11月に販売が終了したEU排ガス基準の「EURO5」から新基準の「EURO6」に対応したディーゼル車が販売されているが、大丈夫だろうか。自動車工業会を最優先するユーロであり、排ガス検査は実走検査するとしていたが、なんだか疑わしい。

EURO 6は、自動車による大気汚染物質の排出規制値を定めたヨーロッパ連合(EU)の規定。「EURO 6」により、ディーゼル車はガソリン車並みにクリーンになる。EURO 6では、特に粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の排出量の規制値が厳しくなっている。2014年9月1日より、許容されるディーゼル車の1 kmあたりの窒素酸化物排出量が、従来は180 mgだったものが、わずか80 mgとなる(ガソリン車は60 mg/km)。

さらに2015年1月1日からは、EUで新たに販売される新車はすべて、このEURO 6の規制値をクリアしなくてはならなくなっているが、検査不正逃れのVW問題以前の検査方法であり、なんだかおかしい。

VWのディーゼル車は、日本ではデーゼル車の排ガス規制が煩いことから、以前から販売されていない。

「EURO 6」基準は厳しいとされるがザル法。欧米の民間団体がVW不正問題から各社の実走試験を行ったところ、ほとんどのメーカーのディーゼル車で基準の5倍から10倍以上と膨大な超過微粒子が検出されている。

<排ガス不正、新たにベンツも>

ドイツ自動車大手ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)が米国内で販売していたディーゼル車に、基準値を超える窒素酸化物(NOx)を排出しても隠蔽できる装置を搭載して規制当局を欺いていたとして、米国内のユーザーらが18日、同社を相手取った集団訴訟をニュージャージー州の連邦裁判所に起こした。

米法律事務所ハーゲンス・バーマンが、米メルセデス・ユーザーらの代理人として提訴したもので、原告側はメルセデス・ベンツの14車種に排ガス量をごまかす技術が搭載されていると主張している。

メルセデスは自社のディーゼル技術「BlueTEC(ブルーテック)」について「世界一クリーン」とうたっているが、訴状はこれを「虚偽でまやかし」だと批判。

実際には、気温が摂氏10度を下回るとNOx低減装置のスイッチが切れるようプログラムされており、結果的に米環境基準を19倍も上回るNOxが大気に排出されると述べている。NOx排出量が基準値の65倍に上る事例もあったとしている。

 

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