最近のＶＷの高評価記事はステマ広告か

最近、ＶＷを持ち上げる記事が多く見られるようになった。特にダウンサイジングエンジン採用のＴＳＩを高評価し、ＨＶはガラパゴス化するとまで言い切った記事もある。
そもそもトヨタがＨＶとＰＨＶにシフトしたのは、三菱と日産がEV販売に動き、いずれEＶ時代が到来することを前提に、充電スタンド等のインフラ整備と電池価格が下がるまでの過渡的なものとしてＨＶの技術を進化させるとした。ダウンサイジングエンジンが登場した２００８年ころも同じだった。

トヨタでは、ダウンサイジングエンジンは既に自社で搭載車もあり、またマツダとも提携しておりスカイアクティブエンジンをＨＶとバーターなどで導入することもできる。さらに富士重工とも提携しており、レボーグのダウンサイジングエンジンだって共同開発車体で導入することも可能だ。
それを今のところ何故しないのかはトヨタが生み出したジャパンテクノロジーだろう。ターボチャージャー（加給器）はＩＨＩが製造しているものの、ダウンサイジングエンジンはドイツテクノロジーとして評価されている。

そのVWの主戦場は欧州である。また、ドイツ神話を作り上げることに成功した中国だろう。中国の販売台数の頂きが見えてきた今日、今後は中国勢とのシェア争いに発展する。そうした中で、価格が高ければ、進化し続ける中国勢の性能と低価格には太刀打ちできなくなる。中国のエコカー補助はPHVとEVにしか適用もされていない。
欧州、特にドイツでは、日本がそうであるようにVWなどドイツ車が圧倒しているのも事実だ。
(VWは2014年中国で368万台販売している。2013年には327万台、2012年は281万台、2011年226万台)

日本勢が検討しているアメリカでは、昨年夏からプリウスの販売が急減した。その理由は明らかで、原油価格が暴落し、燃料爆食いのピックアップトラック等の大型車がバカ売れするようになったことにある。環境意識を考える人たちが少ないアメリカ人を対象にしていることによるものだ。

トヨタはエンジン種も多岐に渡っており、HVにしても、エンジン部分をスーパーチャージャーやターボチャージャー付にするなど、今後いろいろ進化させることができるが、ダウンサイジングエンジンでは先が見えているのが事実だろう。

ＶＷもＰＨＶを販売開始しているが、電気走行だけで５０キロ超も走ると掲載している。５００万円の価格で販売できればリチウム電池を搭載し、電池だけでも５０キロくらいはトヨタでも三菱でもホンダでもできることだ。価格さえ上げれば、テスラに至ってはリチウム電池だけで５００キロも走っているのだから。

何か、日本でこうもＶＷの高評価記事ばかり見ていると、現在日本で売れていないＶＷが、記事広告（読者にとってはステマ広告）という手法をとっているようでならない。

中国国営ＴＶの人気番組で３月、ＶＷと日産は、デタラメ修理で高額請求を行っていた現場が隠しカメラで撮影され、その映像が放映された。その結果？その後、両社とも売上台数を減らしている。直接販売減の原因になっているのかは不明であるが、前年割れであることだけは隠しようがない。
また、中国では２０１０年、当時のTSIエンジンのゴルフが、トラックと衝突して爆発炎上、VW中国の幹部含む４人が亡くなったという。ターボ車は超高熱を発生することから、ちょっとでも燃料系統を破損すれば爆発することにもなる。

以上、ホンダもトヨタと同様な動きをしている。
VW-ゴルフTSIはよく走るがスポーツカーではない。ならば普通に走る乗用車としての性能と価値観を内装を含め検証すべきではないだろうか。

＜日本での販売台数、ＶＷとベンツの比較＞
VW-Japanの社長は売上不振からか７月３１日突然社長を交代した。それからタイミングよく、VWベタ褒め記事が多く掲載されるようになってきている。