トヨタ・リコール(1) 639万台 出火・エアバック不具合の可能性 ヴィッツ・イスト・ラクティス・ベルテ

トヨタ自動車は9日、エンジンの始動モータやエアバッグなどに不具合が見つかったとして、乗用車「ヴィッツ」や「RAV4」、「ポルテ」など約108万5千台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届けた。
出火やエアバッグ不作動の恐れがあるとしている。これまでに車両火災が2件起きたが、けが人は出ていないという。
リコールは海外分を含めると計639万台で、各国のルールに従って対応する。トヨタは2012年10月、同社として過去最多の743万台のリコールを世界で実施しており、今回はそれに次ぐ規模とみられる。
国交省によると、今回の対象のうちポルテは、エンジンの始動モーターが過剰に回転し、出火する恐れがある。RAV4は配線が切れてエアバッグが開かなくなる可能性がある。ヴィッツは運転席を固定する部品のバネが折れ、固定できなくなる場合があるという。
海外分を含めたリコールの対象はヴィッツと、同じ部品を使う車が計約287万台、RAV4などが計約350万台、ポルテなどが計約2万台。

<ヴィッツ・イスト・ラクティス・ベルテ分>
1、不具合の部位(部品名)
(1) 運転者席(シートレール)
(2) 窓ふき器(ワイパーモータ)、電気装置(電気配線)
(3) かじ取装置(固定用ブラケット)

2、基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因
(1)運転者席を前後調整するスライド機構において、固定用スプリングの強度が不足しているため、頻繁に前後調整を行うと、当該スプリングが折損するものがある。そのため、座席が固定されず、最悪の場合、走行中に座席が動き出すおそれがある。

(2)窓ふき器(ワイパー)モータ取付部において、排水口の形状が不適切なため、落ち葉等異物を取り除かずに使用すると排水口が詰まる場合がある。そのため、そのまま使用を続けると、溢れた水がモータ内部や制動灯等の電気配線に浸入し、最悪の場合、ワイパーや制動灯等が作動しなくなるおそれがある。

(3)ステアリングコラムを車室内(インストルメントパネル下)に取付ける固定用ブラケットの強度が不足しているため、ハンドルを端まで強く一杯に切る操作を繰り返すと亀裂が生じるものがある。そのため、そのまま使用を続けると亀裂が進行し、最悪の場合、ステアリングコラムを固定できなくなるおそれがある。

3、改善措置の内容
(1)全車両、運転者席シートレールの製造番号を確認し、該当するものは対策品と交換する。
(2)全車両、排水口の形状を修正するとともにワイパーモータを新品と交換する。また、電気配線を点検し、腐食している場合は新品と交換する。
(3)全車両、当該ブラケットを点検し:(1)異常がない場合は対策ブラケットを追加する。(2)損傷している場合には車体部品(インストルメントパネルリインホースメント)を対策品と交換する。

4、不具合件数:(1)333件 (2)409件 (3)147件 /事故の有無:無し
5、対象車名:ヴィッツ・イスト・ベルテ・ラクティス/4車種・15型式
6、製作期間:平成1 7年1月1 7日~平成2 2年 8 月1 7日
7、対象車台数:計919,684台((1) 919,654、(2) 156,893、(3) 156,388)

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