GM175万台リコール 162万台に続きCEO女性社長に試練 SUV・キャデラック等

GMは17日、北米を中心に乗用車など計約175万台をリコール(無料の回収・修理)すると発表した。
GMは、スポーツタイプ多目的車(SUV)118万台、「キャデラック」6万3,900台、バン30万3,000台をリコールすると明らかにした。衝突時に側面のエアバッグが作動しなかったり、それぞれエアバッグの配線、ブレーキの配線、計器盤に問題があり、エンジンルームから発火したりする恐れがあるという。

2月に公表した乗用車約162万台のリコールでは、イグニッションスイッチ問題で、開発段階から問題を把握しながら問題を放置し、計13人が事故で亡くなったことが問題になっており、司法当局や議会も動き出している。

同社では、イグニッションスイッチ問題から、あらためて調査した結果、別の理由でリコールを決めたという。先のリコールはこれまで死亡事件の隠蔽とも受け止められており、相次ぐ大規模リコールで消費者の不信感が高まるのは必至の状況。
GMは、14年1~3月期決算で約3億ドル(約300億円)のリコール費用を計上すると明らかにした。
GMは、リーマンショック後の危機に際して就任したダン・アカーソン(Dan Akerson)最高経営責任者(CEO)の後任として、グローバル製品開発などを担当しているメアリー・バーラ(Mary Barra)上級副社長(51)が1月15日からCEOに就任したばかり。意外と隠蔽を続けさせていたのはダン・アカーソン氏かもしれない。

なお、GMのSUV車には、GMC Yukon、GMC Acadia、GMC Terrain、Yukon Denaliなどがある。中国でも売れており、大打撃になる可能性がある。ニコニコしているのは中国最大の自動車販売台数を誇るVWグループだろうか?
また、イグニッションスイッチのリコールでは、「改修後も鍵に重たいものをくっ付けないでね」と所有者に注文をつけている。1台の部品交換費はMAX500円とされ、大きな株価の動揺にはならなかったが、議会や司法当局の動きもあり、また、今回の問題では、あまりに問題がありすぎ、株価は急落する可能性が高い。

3月13日には、自動車安全の監視団体であるセンター・フォー・オート・セーフティーは、GMの点火スウィッチのリコール(回収・無償修理)問題に関し、エアバックが作動しないことが原因で、303人の死亡につながったとする新たな調査を公表している。
GMは、リコール対象となった車種で、34件の事故が発生し、12人の死亡につながったとの報告を受けたと明らかにしていた。
この監視団体は、事故の件数や死者数について、道路交通安全局(NHTSA)の統計システムのデータを参照したとしている。
これに対しGMは、13日遅く、新たな調査が「粗いデータ」に基づいているうえ、厳密な分析もなく、「結論を導き出そうとする試みは、ただの推論」と指摘していた。
しかし、今回のリコールで再度、エアバック問題も浮上しており、死亡者数が、同社が発表している12名ではなく、大幅に増加するおそれがある。また、そうした自動車事故で死亡した遺族などから、膨大な損害賠償請求訴訟を起こされる可能性もある。
新CEOがなんだか可哀そう。

0318_01

あわせて読みたい