仏パリの検察当局捜査開始 ルノーの排ガス不正疑惑

仏パリの検察当局が、自動車大手ルノーの排ガス不正疑惑について捜査を開始したことが分かった。検察局の関係筋が明らかにした。
この疑惑を巡っては、仏政府が昨年11月、消費者問題監視当局(DGCCRF)による調査結果を検察当局に送付し、捜査対象になる可能性があるとの見解を示していた。
裁判所は12日、判事3人をこの問題の担当に任命。検察の捜査を受けて公判を行うかどうかを判断する。
ルノーのコメントは得られていない。
以上、ロイター参照

韓国発の問題が浮上したかもしれない。
キュショカイ(欧)=ローブ(米)=エクストレイル(日)の兄弟車
問題は、韓国で販売されている英国産ディーゼル車のキュシュカイ、

ことの発端は、VWの問題車が韓国で12万台走っているが、VWは不正プログラムについて、韓国当局と米国のような取り決めはないとして、韓国側が求める米国並みの補償を突っぱね、リコールのみとしている。
VW側にしても、欧州で850万台もある不正プログラム車の補償問題に波及することから、まともには応じない。

そのため、怒った韓国当局は、過去にさかのぼりVW車の輸入承認審査書類を全部炙り出した。結果、問題が続出、VW車両に対して販売停止命令を下したり、制裁金を課したりした。(韓国では、贈り物や賄賂で業者と審査当局がすぐネンゴロになる体質があり、メクラ判が横行している)

VWに対して頭に来た韓国当局は、輸入ディーゼル乗用車の20車種も調べ上げた。
そこで発覚したのが、日産キャシュカイの不正プログラム問題。
エンジン室内温度が35度Cになると、排ガス対策のEGR(排ガス再循環装置)が停止することを突き止めた。
韓国当局は、調査対象の20車種中、18車種がこうしたプログラムを設定していたが、日産キャシュカイだけが35度C設定、ほかは48度C設定になっていたという。設定していなかったのは2車種だけだった。

そこで、韓国当局は、あまりにも日常温度に近いキャシュカイだけを制裁した。
こうした制裁に対して日産のゴーン社長は、英国での基準(=欧州基準)を満たしており、FTA締結により欧州基準に準拠させている韓国の基準も満たされていると主張、また、設定温度が低いのは、自社の研究開発が遅れているからであり、早期に問題を解決するように努力すると発表した(裁判で争われている)。
(ゴーン社長は自分の首が危うくなることから、研究開発費を削ってでも利益を出し続けるしかない)

車両につき、世界一厳しいとされる欧州環境基準の実態は、ディーゼル車については、実質緩和条件が付されており、EGRを稼動させることでエンジン温度が上がり過ぎ、エンジンを破壊するおそれがあるとして、一定温度でEGRを止めて差し支えないというものだった。
その一定温度が、欧州基準での密約では示されていないことから、英国産日産キャシュカイは、35度Cという低温度でEGRを作動させないようにし、燃費を大幅に改善させることにも成功させていた。

VW問題が浮上後、各国や団体が走行テストした結果、欧州や韓国・日本製のディーゼル車のほとんどが、基準値の10~30倍の排ガスを出していることが判明している。
それは、たとえ48度C設定だとしても、エンジンルーム温度は、夏場などは特に高温になり、ほとんどのディーゼル車が、EGRを作動させないプログラムを作動させ、運転していたことになる。それも車両持主の運転手には知らせずに・・・・。

(VWの場合は、当初の型認証や各国の輸入許可の検査中だけEGRが作動し、路上走行では不正プログラムが機能して、作動しないように最初から設定されていたことから問題となったもの。エンジンに付加がかからず、燃費=走行距離を伸ばせる)

日産ルノーからして、キャシュカイで使用しているエンジンを日産やルノーの欧州販売車に使用している可能性が高く、このたびの、ルノーの排ガス不正問題に発展しているものと見られる。

日産ルノーのゴーン社長は、欧州自動車工業会の会長にも就任している。そのゴーン氏が、米EPAが2015年9月18日に、VWの不正プログラム問題を取り上げた際、欧州自動車工業会の会長として「米国の陰謀だ」と米国を非難していた。
厳しい欧州基準に対する当局と欧州自動車業界の裏取引の産物のプログラム設定が、問題になることを恐れたためだろう。

米国はVWの不正小型車40万2千台に対して2016年5月147億ドルの民事裁判の司法取引での和解。
2017年1月11日には、43億ドルの民事上・刑事上の罰金が言い渡され、VW米社の6人の幹部が証拠隠滅容疑などにより逮捕・投獄された。
3000CC以上の不正車8万台に対する和解金は2億ドル。
まだ、販売店の訴訟も起こされており、米国だけでも膨大な金額を支払いながら問題はまだ解決したわけではない。

韓国でも集団訴訟が起こされている。韓国では韓国流の判決が出るおそれがあり、欧州にも波及することから、判決内容が注目される。
韓国でもやっと問題車両のリコールが行われるという。

あわせて読みたい