韓国検察 VW・アウディ車956台差し押さえ リコール・補償へ圧力か 世界初

VWは、排ガス不正でリコール対象850万台のうち、5万台しかまだ改修していないという(外紙5月報道)。
韓国でも大量の不正プログラムを搭載したVW・アウディ車が大量(ディーゼル車の販売比率は4割以上)に走っており、韓国の大気汚染の主たる原因になっている。
発覚後も韓国でのリコールや補償は遅々として進んでいない。

そうした中、ソウル中央地検は、問題発生後、環境関連認証を受けていない、または排出ガス許容基準を超えていると思われるフォルクスワーゲン社製の車956台をアウディ・フォルクスワーゲン・コリア平沢センターで押収したと6月1日、明らかにした。

この日押収された車は、欧州連合(EU)の排出ガス規制段階「ユーロ6」が適用されたEA288エンジンを搭載した2016年式アウディA1(292台)とA3(314台)、フォルクスワーゲン・ゴルフ(350台)の3車種だ。昨年7月から今年の1月までに韓国に輸入され、平沢港から出荷待ちしているところだった。

ユーロ6が適用された車から排出ガスなどの問題が見つかり、検察がその車を押収して捜査に乗り出したのは、韓国が初めてとなる。

米国当局などは昨年9月、ユーロ5が適用されたフォルクスワーゲン車の排出ガス低減装置が操作されていたことを確認している。
フォルクスワーゲンは、これまでユーロ6適用車種に対する操作疑惑は否定していた。ユーロ5では1キロメートル走行時の窒素酸化物排出が0.18グラム以下でなければならないが、ユーロ6では0.08グラム以下となっている。
検察は、押収された車のうちフォルクスワーゲン・ゴルフ350台については韓国の排出ガス許容基準を上回っており、大気環境保全法に違反していると見ている。

検察関係者は「例えば、走行距離3万キロメートルまたは運行から3年以内は許容基準を満たしているが、その後は基準を上回るということだ。これはもともと車そのものの欠陥なのか、それとも会社がソフトウェアを操作して起きた問題なのかも確認する」と語った。

A1・A3については、検察によると環境関連認証を受けないまま輸入されたと見られるという。
自動車を輸入・販売するには、車両が環境基準を満たしているという認証書を環境部(省に相当)などに提出しなければならず、そうしなければ大気環境保全法違反となる。

このため、検察は該当車両がどのように輸入できたのかについて捜査しているところだと話している。

検察はまた、押収した車をテスト走行する過程で、車両の排出ガスが排気管のすき間から漏れて排出ガス測定が不可能になる不具合を発見したことも明らかにした。
これについて、検察はひとまず製造上の欠陥だと推定されるとしている。だが、別の原因がある可能性もあると見て捜査することにした。

アウディ・フォルクスワーゲン・コリア側は、「問題になった車両(の排出ガス低減装置の操作)はユーロ5が適用されている車両で、ユーロ6が適用されている車両は何の問題もない。
排気管からの漏れや未認証問題は検察の捜査過程で十分に解明されるだろう」とコメントしている。
以上、朝鮮日報参照

世界一厳しいユーロ基準では、廃ガス循環装置(EGS)が、エンジンが壊れる可能性がある場合は機能を停止させることができるという条項があるそうだ。韓国で槍玉に挙げられた日産キャッシュカイは、そうしたことからエンジン吸気温度が35度になると停止するようになっており、韓国当局が調べた20車種のうち18車がこうしたプログラムを搭載されているそうだ。残る17車種は吸気温度が45度に設定され、韓国当局から難クセ付けられず済んでいる。

韓国はEUとの自由貿易協定締結により、自動車の排ガス規制基準を欧州基準に準拠させている。
VWの不正プログラムは、燃費の関係でプログラムを停止させ、大問題に発展した。ほかのメーカーはエンジンが壊れるという理由で吸気温度でプログラムを停止させる設定をし、問題とはなっていない。
しかし、一番大事なのは、欧州基準そのものが国民向けの見せかけであり、抜け穴が用意され、いずれも大気を大汚染している現実が問題だろう。
各国当局がドイツを気にしてか、何一つ進んでいない。韓国は今回、VW問題で世界を主導した。

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