現代自動車グループ 中国で30%OFFのバーゲンセール

中国の自動車販売市場は、景気低迷を受け、急速にこれまでの伸び率を鈍化させている。これまで中国市場で大量販売してきたVWやGMは、急な売り上げ不振にディーラーの在庫増が顕著となり、値下げに踏み切っている。これは一定以上の台数を販売しなければ、メーカーからの販売奨励金が入らないことから、窮余の策として値下げに踏み切っているもの。しかし、販売台数減に歯止めはかかっていないようだ。

そうした中、韓国勢は6月の落ち込みに衝撃を受けており、その対策が急がれていたが、バーゲンセールとは・・・。
売上不振の中で中国勢が伸ばしているのは、景気低迷を受け、価格の安い中国車が見直されているもので、その性能も日進月歩で改善されてきている。また、中国勢SUVの大ヒットも侮れないものとなっている。中国勢車両は、デザインは即外資系の人気車を失敬、性能だけの問題となっている。中国勢の中堅メーカーでは三菱のGDIエンジンを搭載(現代自もGDIエンジン搭載)している車両も多く、そうした車両については馬力やトルク性能には問題ない(他は不知)。
中国で日本勢が見直されているのは、人気となっているSUVやMPVなど図体の大きな新型車両を相次いで市場投入、また若者向けのカローラレビンなど投入したことによる。中国人の訪日効果(反日感情の希薄化)やネットでは米国で売れる日本車としても取り上げられており、こうした相乗効果が生じているものと推察される。7月も日産を除き増加(トヨタ23.7%増、ホンダ50.4%増、マツダ3.7%増、日産▲13.9%減)している。
なお、7月は中国全体分はまだ発表されていない。
2015年上半期中国乗用車の販売台数
 /万台
販売台数
シェア
前年比
1~6月累計
1,009.56
 
4.8
中国民族系
418.46
41.5
14.6
韓国勢
81.34
8.1
-5.8
独勢
198.83
19.7
-3.4
米勢
121.75
12.1
-0.3
日本勢
150.78
14.9
2.4
仏勢
36.55
3.6
3.6
数値は中国汽車工業協会や報道資料数値に基づく
 
中国乗用車自動車販売(商用車除く)
 
販売台数
前年比
うち中国民族系
 
/万台
販売台数
シェア
前年比
2012年
1,549.52
7.1
648.50
41.9
6.1
2013年
1,792.89
15.7
722.20
40.3
11.4
2014年
1,970.06
9.9
757.33
38.4
4.1
11月
177.53
4.7
 
 
 
12月
206.11
16.0
 
 
 
2015年
 
 
うち韓国勢
1月
203.80
10.4
15.94
7.8
-9.0
2月
139.67
6.4
11.85
8.5
0.9
3月
187.04
9.4
16.25
8.7
10.2
4月
166.88
3.7
14.62
8.8
2.5
5月
160.93
1.2
12.90
8.0
-9.9
6月
151.14
-3.4
9.77
6.5
-29.0

 

1元は20.04円

現代・起亜自動車が、最近、成長鈍化により困難に直面している中国市場で「値下げ」カードを取り出した。
9日、起亜車の中国合併法人「東風悦達起亜」は、8月7日から旧型スポーテージ(現地名・スパオ)等の価格を最大▲30%引き下げた。
スパオの場合、15万9,800~19万6,800人民元(320~394万円)から10万9,800~14万6,800人民元(220~293万円)へ5万人民元(約100万円)の引き下げに踏み切った。
スポーテージR(ズパオ)の価格も2万人民元引き下げた16万4,800~24万9,800人民元から14万4,800~22万9,800人民元に調整した。

現代自動車の現地法人である北京現代も価格引き下げの動きに出た。北京現代は8月初旬から主力SUVであるサンタフェとツーソン(現地名ix35)の価格をそれぞれ3万人民元(60万円)、2万人民元(40万円)引き下げた。

現代・起亜車の値下げ攻勢は、ますます激しくなる中国市場内の競争から押し出されないための苦肉策。
昨年10.4%に達した現代・起亜車の中国市場占有率は今年上半期9.2%に落ちた(資料では8.1%のシェア)。
特に、6月には7.3%(資料では6.5%)まで押された。
価格競争力を前面に出した地元ブランドの挑戦も侮れない。中国の地元ブランドは、最近、品質を着実に改善して、外資系より30~40%ほど低価格の車を市場に出している。

こうした状況に、グローバルブランドも早々と現地販売価格を引き下げている。ドイツのフォルクスワーゲンと米国のGMは車種別に4~7%台の値下げを断行。

現代車グループ側は、ひとまず旧型モデルの価格を低くして現地ブランドに目を向けている中国消費者を引き止めておくことにしたとし、価格引き下げに加え、まもなく現地発売を控えている新型ツーソンとスポーテージ、K5等を武器に10%台の占有率を回復させたいとしている。
以上、

筆者は、中国市場において、韓国勢の乗用車が、サムスンのスマホと同じような状況が生じているようでならない。中国勢は技術・性能も向上させ続けており、デザインはヒュンダイプリウスどころか、即取り入れ、即造り出す能力こそ、中国勢が韓国も含め外資系の追随を許さない能力を有している点にある。
その技術的なターゲット(ライバル)と看做されているのが、韓国勢の車両ではないかと見る。今後も注視していきたい。韓国勢のカーデザインは欧州仕込でそれなりに優れている(中身は別)。

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