どこへ行くホンダ 中国市場に見る

中国人民網は今日の停滞したホンダについて、次のように分析している。その分析は、日本でも当たっているようだ。
以下、中国人民網(中国共産党系新聞社)記事
中国市場で高い人気を誇った自動車メーカーのホンダは数年前、経営不振から再調整をはかった。だが、その効果はまだ明らかとは言えない。まだ時間が必要なのか、それとも下り坂のホンダにもう挽回の余地はないのか。
ホンダの中国進出から今年で16年になる。「三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)」を企業理念とし、技術革新と開拓進取の精神を重んじるホンダは、中国市場だけでなく、米国や欧州など世界の自動車市場で好調な経営を実現した。

だが、自動車業界のアナリストの見方は厳しい。「ホンダは時代とともに変わろうとしていない。人気のあるわずかな主要車種に頼り、製品構成が合理性を欠いている。技術革新のスピードも遅く、品質問題も指摘されている。こうした問題は、ホンダの中国市場での発展を阻み始めている」

▽合理性欠く製品構成
ホンダの中国展開は、「東風本田」と「広汽本田」の2社の合資完成車メーカーを通じて進められている。
東風本田の傘下には、「CR-V」「傑徳(ジェイド)」「思域(シビック)」「思鉑叡(スピリア)」「思銘(Ciimo)」「艾力紳(エリシオン)」などの車種がある。
だが、「小型車の大量販売」という原則を取ってきた同社は、SUV市場でベストセラーのCR-Vの販売に過度に依存し、その他の車種は事実上、わき役になっている。

東風本田の販売車種がバランスを欠いているのと同じく、広汽本田の収益源となっている車種も「凌派(クライダー)」「雅閣(アコード)」「飛度(フィット)」を数えるだけだ。公式データによると、今年第1四半期のクライダーの販売台数は5万224台で、広汽本田全体の販売台数の50%前後に達した。またアコードは昨年通年の販売台数は11.95万台で、総販売台数43.5万台の27.45%を占めた。
だが中国市場で成功している自動車ブランドを見ると、わずかな車種に依存しているブランドは少なく、仮にあっても長期的な発展はなかなかできないのが現実だ。フォルクスワーゲンの強さは、「Sagitar」「Passat」「Santana」「Magotan」「Jetta」「Polo」「Lavida」「Golf」がいずれも各細分市場でトップレベルに位置していることにある。ホンダの製品構成がこうもバランスを欠いているのを見ると、同社が今後どれだけ持ちこたえられるかには疑問を呈さざるを得ない。

▽品質に高まる懸念
品質監督団体「質量万里行」によると、2013年の9代目アコードにも発売以来、ブレーキの振動や車輪ハブの異常な損傷、パワーステアリングポンプの異常音などの苦情が続いている。同年11月にはガソリン漏れを訴えるオーナーが40人に達したが、ホンダはこれを「個別の現象」として取り扱っている。

▽モデルチェンジの遅さと高価格 1元は17.07円
アコードの世界市場での販売台数は2013年末までに1900万台に達した。中国市場でのアコードの意味について、あるメディアは、「広汽本田が1999年、世界同時発売となる6代目アコードを中国市場で売り出したことは、中国の自家用車の発展を速めた。その好調な売れ行きを見た大手のグローバル企業各社は、中国市場の重要性を無視できなくなった」と評価している。

アコードの登場は、ジェッタと富康、サンタナが主流だった中国の道路の風景を一変させた。アコードはまたサンタナに代わって公用車の代表ともなった。だが、6代目から昨年登場の9代目まで、アコードのモデルチェンジは地味なものにとどまっている。
CR-Vは、2004年に中国で売り出されてからの10年間で3回のモデルチェンジを行ったが、いずれも二輪駆動を四輪駆動にする、外観をマイナーチェンジするなどにとどまり、コア技術が大きく変えられることはなかった。
フィットは、初代の販売が5年近く(2003年-2008年)、2代目の販売が6年近く(2008年-2014年)続き、3代目は今年ようやく登場したばかり。本田のモデルチェンジはやはり遅いと言わざるを得ない。

価格も問題だ。例えば新型フィットは、各方面で確かに性能が向上した。だが、中国市場には強力な競争相手が増えている。消費者に人気のフォルクスワーゲンの新型POLOの価格は6.34万元から12.41万元程度。新型フィットは1300ccのエンジンをやめて1500ccが採用されているという長所はあるが、定価は7.38万元から11.28万元程度。エントリーモデルの価格は従来型とほぼ同じだが、POLOと比べてもフィットは高い。

ホンダは今年下半期、オデッセイやクロスツアー、シビック、スピリアなどのモデルチェンジを予定している。だが革新的な新車種の発売計画は空白のままだ。ホンダはこのまま、旧来の車種で「最後」まで走り続けるつもりなのだろうか。(
以上。

本田宗一郎の血統をなくしてしまったホンダ、以前はトヨタがホンダの真似をしていたが、今やホンダがトヨタを真似している様。しかし、トヨタとは体力の違いやその変わり見の速さはまったく及ばない。
日本でもそうであるが、長期戦略に立ち何を売ろうとしているのかさっぱりわからない。そうこうしている間に、だんだんホンダファンは足元を離れ、スバルなどへ流れてしまった。
ありきたりなどこでもあるような車はホンダには似合わない。消費者に認められるポテンシャルの高い車の創造が、全体のホンダの人気を牽引することにもなる。圧倒的新機軸によるパワーの開発に問題があるのか、若者・世代を圧倒するカーデザインに問題があるのか。それとも価格に問題があるのか。中国における反日問題にいまだ酔いしれているのだろうか。
巻き返しを図る最大で最後のチャンスかもしれない。

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