トヨタ/水素発電・燃料電池車(FCV)のセダンを12月にも発売

トヨタは、水素を使った発電で走り、水しか排出しない燃料電池車(FCV)のセダンを12月にも発売する。次世代エコカーとして世界の自動車大手がFCV開発を競う中、世界に先駆け市販に踏み切り、新市場を切り開く構え。
発売するFCVは、1回重さ5キロの水素補給で500キロ以上の距離を走行できる。水素ステーションの整備が進む東京、名古屋、大阪、福岡の四大都市圏で先行して売り出す。
かつて1億円以上といわれた価格は1千万円を切る予定。
補助金などが受けられれば購入価格はさらに低下する。
国や地方自治体、環境問題に関心の高い企業や富裕層の購入を見込む。
12月から車両を生産し、当面、月50台前後を生産する予定。
FCVは、車に積んだ水素と空気中の酸素の化学反応で生じる電気で走る。普及に向けてはインフラ整備が欠かせず、政府や関係業界は来年中に大都市中心に全国100ヶ所で水素ステーションを整備する計画。
ただ、現状では想定通りに建設が進んでいないため、市販を先行させ、政府に整備を促す。日本発売とほぼ同時期に米国や欧州でも売り出す。

因みに、韓国の現代自動車はスポーツ多目的車(SUV)の「ツーサン」に水素燃料システムを応用した燃料電池車(FCV)を自治体向けに販売している。「ツーサン」水素自動車モデルは100キロワットの燃料電池、100キロワットの駆動モーター、24キロワットの高電圧バッテリー、700バールの水素貯蔵タンクを搭載。氷点下20度以下でもエンジンをかけられ、使用技術の国産化割合は95%以上という。
停止状態から時速100キロに到達する時間は12.5秒。最高時速は160キロだという。1回の水素の補給で415キロを走行することができる。販売価格は現在1億5000万ウォン(約1470万円)。ただ、世界に先駆けて販売することだけを目的とした実証実験段階の品。

トヨタなどは燃料電池車を自治体向けに4~5年前からリース車両として販売しているが、価格が高く、実証モデルに過ぎなかった。
トヨタ九州では日野自動車と共同して燃料電池バスを以前から運行させているが、今では九大伊都キャンパスの通学路線にも投入されている。燃料バスも2016年には販売する予定である。
今回は本格的に販売する体制作りに踏み込んだもの。
ガソリンがいらなくなる。金の首飾りに宝石の指輪をした毛むくじゃらのアラブの王様も真っ青だろう。発電所も水素発電所を作っちゃおう。

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