4月の中国の自動車生産・販売台数13%増 だが、高級車市場大幅減速

中国汽車工業協会(中汽協)が発表した最新のデータによると、4月の中国の自動車生産・販売台数は前月比でやや低下、前年同期比で13%超の増加となった。
1~4月の自動車生産・販売台数の前年同期比伸び率が10%以上で、1~3月から小幅に拡大している。

<中国の高級車市場 第一四半期>高級車消費が大幅減少
今年第1四半期、中国高級車市場の成長率はわずか8.34%に留まった。昨年同期と比べると、販売台数の増加率は▲80%も減少、急速に鈍化している。
業界関係者は「中国政府は今年初旬より、公用車の使用を厳格に管理し、贅沢品消費の規制を強めている。社会全体の雰囲気および政府の要求が、高級車消費に大きな影響を及ぼした。これを受け、公用車としての高級車受注の多くが白紙となった。また、購入制限策も影響している。今年の春節、特に3月以降、公用高級車の消費は大幅に減少した」と述べている。

高級車メーカーにとって中国市場は、確実に利益を得られる「おいしい市場」であり、成長率が高位をキープし続けていた。2010年中国高級車市場の成長率は80%に達した。2011年は、中国自動車市場全体の成長率がわずか4%であったにもかかわらず、高級車市場だけは依然として30%の大幅増を記録していた。
しかし、昨年以降、飛躍を続けていた高級車市場にややブレーキがかかった。中国高級車市場では昨年、大規模な価格競争が繰り広げられた。低価格によって販売台数を稼ぐ、さらには販売台数も価格も下がるといった状況が見られ、各メーカーおよび業界全体に大きな影響を及ぼした。また、高級車の需要と供給はマクロ経済と政策の影響も受けている。

欧州メーカーは、中国合弁生産ではない欧州生産車を中国へ大量に輸出してきた。欧州メーカーにとって昨年は、欧州経済の低迷により、在庫の山となり、売れ行き好調な中国でそれを捌けたが、あまりの多さに欧州メーカー同士が中国国内で値引き合戦を繰り広げ、中国当局から中国市場を在庫の捌け口にしていると揶揄されていた。

中国市場がいくら巨大になっているといっても、現実の経済成長率は鈍化しており、高級車を購入する富裕層がこれまでどおり増加し続けるのは不可能となっている。貧富の格差を容認する共産国家などありえず、共産党利権派の独裁国家である中国であり、急激な成長は既に世界経済の潮流に飲み込まれる域に完全に達し、減速を明確に示している。

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