マツダ/第3四半期 通期も円安メリット最大享受

マツダは6日、今期業績予想を大幅に修正した。特に各利益は円安効果で大幅に改善、当期利益はこれまでの予想の倍以上になっている。

同社は、平成25年3月期第2四半期累計期間(平成24年4月1日~平成24年9月30日)においては、75億78百万円の為替差損を営業外費用に計上していたが、為替相場の変動により、平成25年3月期第3四半期会計期間(平成24年10月1日~平成24年12月31日)では、120億66百万円の為替差益が発生したため、平成25年3月期第3四半期連結累計期間(平成24年4月1日~平成24年12月31日)においては、44億88百万円の為替差益を営業外収益に計上した。

同社の車は、日本より海外でよく売れており、その率は日本2割・海外8割となっている。しかも、海外生産は3割しかなく、7割は国内生産、これまで為替に泣かせられ、赤字を計上し続けてきた。

こうしたことから、同社は1ドル77円、1ユーロ100円でも利益が出る体質作りを行い、その発想から昨年2月SUV車「CX-5」を誕生させ、年末には主力セダンの「アテンザ」を世に送り出した。

そうしたところに、円安が急激に襲い、業績の急改善となっている。このまま、来期も円安で安定すれば、同社の業績は円安効果を通年で享受し、今期予想より利益は大幅に改善されることになる。

しかし、円安は水物であり、同社は将来を見越し、海外生産体制を強化している。メキシコ工場は本年より稼動予定であるが、生産能力は年間23万台ある大工場。アメリカ大陸での売上台数でも空くことから、トヨタ車を5万台受託生産する予定となっている(5万台の生産設備費をトヨタが負担した)。また、タイでは40万基のトランスミッション専用工場を新設する。今後も生産基地を世界に設ける計画である。

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マツダ決算

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