日産キャシュカイ認証取り消し裁判 請求棄却 「日産よ、ここは韓国の裁判所なのだ」

日産のディーゼルエンジンを搭載した多目的スポーツ車(SUV)「キャシュカイ(QASHQAI)」に対する韓国環境部のリコールや販売停止処分が妥当だったという韓国裁判所の判決が下された。
ソウル行政裁判所は9日、韓国日産が、環境部長官などを相手取り、認証取り消し処分などの撤回を求め起こした訴訟で、韓国日産の請求を棄却した。

これに先立って環境部は昨年6月、韓国日産がキャシュカイの排出ガス低減装置を不正に操作したと判断し、キャシュカイに対する新車の販売停止やリコール命令を下し、課徴金3億4000万ウォン(約3300万円)の支払いを命じた。
韓国日産はこれに対し「キャシュカイに対する意図的な操作や排ガス規制逃れの事実はない」と訴訟を起こした。

これと同時に環境部の販売停止やリコール命令処分、国立環境科学院の認証取り消し処分を一時差し止めを求めて、裁判所に執行停止を申し立てた。

<韓国で外車が売れたら困る、保護主義の韓国>
2017年1月3日中央日報記事
韓国環境部は昨年11月、認証書類で改ざんが摘発された韓国日産・BMWコリア・ポルシェコリアなど3社・10車種に対して認証を取り消したと2日明らかにした。
今回認証が取り消された車両は、
日産のインフィニティQ50、キャシュカイ、
BMWのX5 M、
ポルシェのマカンSディーゼル、カイエンS E-ハイブリッド、カイエンターボ
など6種。
認証が取り消されると販売を停止しなければならない。
ポルシェ918スパイダー、ケイマンGTS、911GT3、パナメラS E-ハイブリッドなど4種は生産中止となっている車両なので認証だけが取り消された。
環境部は、これら輸入会社3社に課徴金71億ウォン(約7億円)余りを課した。
課徴金はこれまで販売された10車種4523台の売上額3%を適用して算定したと環境部は説明した。

環境部は、販売停止や課徴金賦課以外に、2車種(インフィニティQ50、キャシュカイ)に対する証明書類改ざん容疑で韓国日産を検察に告発した。

日産キャシュカイは、昨年6月にも排ガス不正操作容疑で告発された。ただし、不正内容が軽微なBMWコリアと、証明書類改ざん確認前に検察に自主申告したポルシェコリアは告発しない方針。
環境部関係者は「証明書類改ざん検証機能を強化するために自動車排ガスおよび騒音認証電算システム(KENSIS)の改善費用としてことし5億ウォンを確保した」としながら「システムが改善されれば証明書類の改ざんはなくなるだろう」と述べている。

以上、
<今回の裁判のそもそもの問題>
韓国では、VWのディーゼル不正車を12万台乗っているが、環境部は暗に米国並みの補償を求めたが、VWから(韓国との取引では、米国のような補償契約がなされていないことにより)一蹴され、その反発からかVWからリコール要請も当局がなかなか認めなかった経緯がある。
その挙句、嫌がらせのようなVW車の輸入にかかわる登録書や証明書を過去にさかのぼり徹底的に調べ上げられ、多くのVW車が販売停止などに追い込まれた。
今後、VWの一般所有者が起こした裁判が始まる。米国並みの買戻しの判決が出る可能性が高い。何せ、ここは韓国の裁判所だ。

・・・その一環で、環境部は、販売されている輸入車のディーゼル車20車種を調べ上げたところ、エンジンルームが35度で排ガス再循環装置(EGR)を停止するプログラムが設定されていた日産キャシュカイが、不正と判断され、検察に告発されていた。
その裁判が今回の判決である。

日産のキャシュカイのディーゼル車は、イギリス工場から韓国へ輸出されている。これはEUと韓国が自由貿易協定を締結していることによるもの。

ユーロ排ガス基準は厳しいが、実態はザル基準で、EGRを稼動させた場合、エンジンに負荷がかかり高熱でエンジンが破壊されるおそれがあり、破壊されないところで任意にEGRを停止させてもよいという特別条項がある。日産キャシュカイは、エンジンルームが35度に設定していた(ユーロ=イギリスの検査機関では承認されている)。ほかの19車種のうち17車種48度前後に設定され、2車種については問題なかったのか公表されていない。

VWの不正問題は、輸入登録検査のときだけEGRが機能し、実際の走行ではEGRが機能しないようにプログラミングされていたことが米国で発覚した。世界中に不正プログラミング車が1200万台も販売されていたことから大問題となった。
当然、EGRを稼動させなかった場合、エンジンの負荷が減り、大幅な燃費改善が図られる。
 
<申請書類等の問題は>
沈没したセウォル号に見られるように不正改造でも何でも○○ですべてOKを出す賄賂体質の行政機関の問題があり、そこを正規に調べられた場合、今回のように申請書などの不正が発覚することになる。(中国は通常ゆるく輸入許可を出し、制裁等では厳格にする手法をとる。韓国は海苔などで大腸菌の量が規定より多いとして不許可と今般なっている)

 日産キャシュカイの場合、不正プログラム問題、今回の申請書類の偽造等、VWがリコールするだけで補償しないことに腹を立てた国民の代弁者として韓国の環境部(省)が、VWの申請書等の不正を見つけ、その余波から、輸入車全体に調査を拡大し、不正を告発しているもの。

なお、キャシュカイは基本はデュアリスやエクスレイルと兄弟車

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