韓国当局、販売差し止め 日産2車種、BMW4車種、制裁金処分へ
韓国環境部(省)は29日、日産、BMW、ポルシェの車両について、認証書類に問題があったとし、販売を差し止める計画を発表した。計10車種について認証書類の偽造を発見したと明らかにした。
10車種のうち、日産の「インフィニティQ50」(←韓国カー・オブ・ザ・イヤー2015受賞車、和名:スカイライン)および英国産の「キャシュカイ」(和名:元ディアリス)とBMW4車種の計6車種は現在も販売中。
販売が既に終了しているポルシェの4車種についても書類の問題を指摘した。
日産、BMW、ポルシェ3社の韓国部門に対して、合計65億ウォン(556万ドル)の罰金も科す方針を明らかにした。
3社に対するヒアリングを実施した後に、12月に販売停止と罰金について最終決定する。
同部は、VWの排ガス不正を受け、外国車を対象に書類の調査を行っていた。
以上、
韓国は、VWの認証申請書類と認証手続きに大きな問題があったとして、販売停止や制裁措置をとっている。
韓国環境部は、国民の人気取りのため、不正排ガス車両のVWに対して、米国並みの補償を取り付けようとしているが、韓国との契約でそうした契約条項のないVWは、支払う意思をまったく見せていない。
不正排ガス車850万台が対象とされる欧州に飛び火することから当然のVWの対応。
韓国環境部は、その仕返しに、過去のVW車の輸入や検査の申請書類のあら捜しが始め、問題がボロボロ出てきた。
これは韓国特有のプレゼント攻撃で、韓国人同士である輸入販売業者と審査当局の癒着の賜物、ちゃんと申請していれば済むことだったことが判明している。こうした中、国産自動車業界の後押しもあり、ほかの輸入車の各種申請書類も調査していたもの。
韓国のVW不正排ガス車約12万台はリコールされた報道はなされておらず、ソウルをはじめ韓国中でまだ硫黄酸化物を規制の何十倍も撒き散らしながら走っている。VWと韓国環境部の戦いは今だ続いている。
日産が前回摘発されたキャシュカイは、英国産のディーゼル車で排ガス循環装置=EGR(排ガス再燃焼装置)が、エンジン室内温度が35度で停止するようにプログラム設定され、排ガスを撒き散らしていたというもの。
それに対して、日産は、ユーロ基準を満たしており、EU-韓国では自由貿易協定を締結し、ユーロ基準に準拠する韓国基準でも当然クリアしているとして、環境部から制裁金支払い命令を受けたものの、戦う姿勢を明らかにしていた。
ここで最大の問題は、ユーロ基準(ザル基準)の運用にある。
韓国当局の調査により、世界一厳しいとされるユーロ排ガス規制基準は、ディーゼル車が多い欧州のメーカーにとって都合の良いものになっていたということが判明したことだろう。
ユーロ基準では、EGRを取り付けたディーゼル車は高温になることから、エンジンが破壊されないように、温度によりEGRの機能を停止させることができるという抜け道が用意されていた。
そのため、日産では、エンジンの室内温度が35度に達した場合、EGRを停止させるプログラムを搭載していたもの。
韓国では、輸入されているディーゼル車計20車種を検査、18車種がこうしたプログラムを搭載していたという。残り17車種は48度に設定されていたといい、制裁対象にならなかった。
EGRを機能させた場合、排ガスは浄化されるものの、エンジンが高温になり安く、燃費も悪くなる。
VWの排ガス不正問題は、EGRを取り付けていたものの、室内の検査時だけ機能し、一般走行では最初から機能しないようにプログラム設定していた点。それは燃費を良くするためであった。米EPAが2015年9月18日に問題にした。
米国では、輸入車について、不正に対する補償を求める内容になっていることから、膨大な金額の制裁が行われ、結果、ユーザーによる裁判も含めた和解金は40万台あまりを対象に計1.5兆円に達している。それも2000CC以下の車両であり、アウディなど3000CC超の問題車についての和解はこれからとなっている(対象車両台数は2000CC以下より大幅に少ない)。(米国でのVWの不正排ガス車両販売台数は約48万2千台)
これとは別に、不正排ガス車両により損害を生じた販売店などが起こした裁判の和解もこれからとなっている。
韓国当局は、VWの不正排ガス対象車12万台について、米国並みの補償を何とかしてVWから取り上げたい意向であるが、VWは完全に無視している。
そうしたVWの対応に、日産やBMW・ポルシェが巻き込まれた形になっている。ただ、この3社も書類であっても不正は不正、逃れようがない。韓国特有の当局との癒着が問題となり表面化したもの。セウォル号沈没事故でも、日本製フェリーの大改造の各種認可や積載超過などで不正の雨あられが発覚、関係当局者が大量処分された。
韓国の空は、中国のPM2.5の襲来とともに登録台数の4割ともされるディーゼル車で汚れきっているようだ。
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各国販売状況 2015.10.18現在
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||||
/万台
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VW-G
|
VW
|
Audi
|
ショコダ
|
ドイツ
|
240.0
|
|||
英国
|
119.0
|
50.8
|
39.3
|
13.1
|
フランス
|
94.8
|
60.0
|
19.0
|
6.5
|
スペイン
|
68.4
|
|||
イタリア
|
65.0
|
|||
ベルギー
|
50.0
|
|||
オーストリア
|
36.4
|
|||
スイス
|
13.0
|
|||
ルクセンブルグ
|
4.0
|
|||
ほか欧州
|
159.4
|
|||
欧州計
|
850.0
|
|||
米国
|
48.2
|
|||
韓国
|
12.1
|
9.2
|
2.8
|
|
オーストラリア
|
10.0
|
|||
ほか計
|
179.7
|
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総計
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1,100.0
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・中国は輸入車のみが対象、VWの中国生産車はガソリン車のみ。欧州全体で問題車両は800万台とVWが発表している
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