現代自動車 「シーター2エンジン」リコール隠しの実態 「ソナタ」など主力車搭載
<米国では>
現代自動車は、米国でソナタ「エンジン欠陥」問題で集団訴訟を提起され、車両購入者に対して、無償点検と修理、すでに支出した修理費用、さらに中古車として売った場合にエンジン欠陥のせいで売値が下がる分まで補償する内容だった。
米国内の該当車両所有者は88万5千人に達する。
全体の補償額は明らかにされていないが、1台当り1千ドルと仮定すれば8億8500万ドル(約912億円)に達する規模。
米国北部カリフォルニア連邦地方法院は、特別な理由がないかぎり今回の合意案を12月15日に最終承認する見込み。
現代自動車関係者は、「2011~2012年に米国アラバマ工場で生産されたし、リコール決定を下したまで」と話している。
米国での補償合意の対象車両は、2011年~14年まで米国アラバマ工場で生産し販売したソナタのうち、「シーター2エンジン」を装着した車両で、エンジンの組立工程でクランクシャフトの周辺の鉄粉が正しく除去されないなどの清浄問題により発生しているとしている。
該当車両の所有者からは、エンジンから出る騒音がひどく、始動不良現象が起きるが、これは現代自動車が欠陥を隠して車を売ったためだとし、消費者集団訴訟を提起していた。
<韓国でも問題>
韓国国内でも同型の「シーター2エンジン」を搭載した車両で被害をこうむったと主張する所有者が少なくなく、米国と類似の補償要求が相次ぐことが予想される。
そうした中、国土交通部(省)が10月11日、「エンジン欠陥」問題について、韓国でも似たような問題が発生しており、検査に入ったことが明らかにされた。
「シーター2エンジン」を搭載した現代自動車と傘下の起亜自動車の車両は、排気量2.0リットル、2.4リットルで、「YFソナタ 2.4L GDI」「YFソナタ2.0L ターボ GDI」「グレンジャーHG 2.4L GDI」「スポーテージ2.0L ターボ GDI」「K5 2.4L GDI」「K5 2.0L ターボ GDI」「K7 2.4L GDI」の7車種で、これまでに数十万台が韓国国内で販売されたと推計されている。
<リコール隠しでは・・・>
2007年に登場した「シーター2エンジン」は、2009年に改良型が出された。しかし、韓国でも、このエンジンのシリンダー内で往復運動するピストンヘッドとシリンダー内壁に損傷が生じ、騒音が発生したり、始動不良になる現象が発生する可能性があると指摘されてきていた。
現代自動車は、韓国国内の車両についてはリコールの対象ではないと線を引いている。
(韓国での)「シーター2エンジン」を装着した車両のリコールと補償措置について現代自動車は、「米国と同じ欠陥ではなく、韓国工場で生産された製品については、工程上の問題により一部の車種で散発的に生じることのある問題」と説明し、「リコールの対象ではない」としている。
「シーター2エンジン」の欠陥問題提起は今回が初めてではないという。
(韓国の)自動車ファンクラブのサイトでは、数年前からこれと関連して不満が提起されてきた。最近では、現代自動車職員からの内部告発も発表されていた。
韓国の一部の「シーター2エンジン」搭載車両オーナーは、エンジン騒音と始動不良現象で整備工場を訪れたところ、シリンダーが損傷しているという点検結果が出たと主張している。
だが、こうした問題が潤滑系統の問題なのか、部品素材の不良なのかは明らかにされていない。
<国土交通部が検査に乗り出した>
現代自動車のこのような弁明にもかかわらず韓国における逆差別論議は簡単には収まりそうにない。
その背景にはエンジン自体の欠陥問題が内在していたのではないかという疑念がある。問題の真偽は、メーカーの現代自動車の解明にはこれまでの発表のとおり限度があり、当問題は安全上、見過ごせないとして、車両安全問題を検証する国土交通部が検査することになった。
当問題では、現代自動車が、「シーター2エンジン」を改善する目的で、当局に設計変更の認証を受けず、設計変更した疑惑も取り沙汰されている。
以上、韓国紙数紙参照