2015年国別自動車生産台数ランキング 主要国生産台数推移付き+メーカー別販売
国際自動車工業連合会(OICA)の資料によると各国の自動車生産台数は次のとおりになっている。
2015年の世界の自動車生産台数は9,078万0千台、2010年は7,762万9千台であり、この間、1,315万1千台増加、率にして16.9%増加している。
このうち、中国と米国が増加に抜きん出ており、中国はこの間623万8千台増加、米国は435万7千台している。両国だけで全体の増加台数の80%をとなっている。(ただ、米国は2000年の生産台数は1,279万9千台、2015年1,210万0千台と喜べない面もある。これは輸入車の販売増加によるものだが、多くの国々と自由貿易協定を締結したことにより輸入車が拡大した面もある)
最たる保護貿易主義の中国は、自動車の輸入に当たっては高税率を賦課し、国内産であっても公務員(特に地方官僚)に対する贅沢禁止令、国民には贅沢税を課し、高級外車の売り行きが急速に減速、事実上高級輸入車はシャットアウト状態になっている。その代わり安価な自国産の普及が急速に進んでいる。
自国産は2つに分類され、中国企業による純民族産と外資との合弁産によるものとがある(合弁でなければ外資自動車メーカーの工場進出は認めていない)。
中国市場は、昨年一時陰りも見えていたものの昨年10月取得税の減税(1.6リッター以下の小型車を10%から5%に引き下げ)を受け、再び成長路線をたどっている。
売り行き好調が続いていることから、まだ外資系合弁車の売上台数が純民族産より勝っているが、外資系より3割以上安価な民族産は伸び率が外資系より大幅に上回っていることから、近年中に逆転するものと見られる。性能もまだまだ問題はあるものの日本のエンジンメーカーや部品メーカーなどがバックアップしており、大幅に向上してきている。(そのあおりを食っているのが韓国車である)
<米国では懸念材料も>
米国では、安価な原油・シェールオイルの開発(エネルギー革命)により、リーマン・ショック(2008年10月)から一早く景気回復を図り、2010年と2015年を比較した場合、56.3%の自動車生産台数増を果たしている。
ただ、この間の自動車販売台数は、2010年1,159 万台、2015年1747万台であり、50.7%増と大幅に伸張させている。
NAFTA(米国、カナダ、メキシコ)により、今後、米国メーカーや米国に工場進出している日独韓の主力組は、人件費の安いメキシコに生産拠点を設けており、米国における米国産の自動車販売台数はほとんど伸びないものと見られる。
ただ、トランプが大統領に就任すれば、最たる保護貿易主義者であり、自由貿易協定の見直しも示唆しており、メキシコからの自動車輸入を制限することも懸念される。すでに2012年にFTA(2国間自由貿易協定)を締結した韓国を槍玉に挙げている。日本も含む太平洋に面した広域の自由貿易協定であるTPPも締結しないと断言している。
<日本メーカーは国内市場に期待薄>
日本の自動車業界は、リーマン・ショック後、少子高齢化が進む日本市場に見切りを付け、急速に東南アジアやメキシコに生産拠点をシフトした。その結果、日本の生産台数は、リーマン・ショック前から大幅に減少し、新たな生産拠点を構えるメーカーもなく、米国販売で好調を持続させているスバルだけが国内生産規模を拡大しているくらいである。(自動車メーカーの海外工場進出は協力工場の一個大隊を引き連れて進出することから、日本経済の疲弊をもたらしてもいる)
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主要国の自動車生産台数
|
||||
|
|
2010年
|
2015年
|
比較
|
1
|
中国
|
18,264,761
|
24,503,326
|
34.2%
|
2
|
米国
|
7,743,093
|
12,100,095
|
56.3%
|
3
|
日本
|
9,628,920
|
9,278,238
|
-3.6%
|
4
|
ドイツ
|
5,905,985
|
6,033,164
|
2.2%
|
5
|
韓国
|
4,271,741
|
4,555,957
|
6.7%
|
6
|
インド
|
3,557,073
|
4,125,744
|
16.0%
|
7
|
メキシコ
|
2,342,282
|
3,565,469
|
52.2%
|
8
|
スペイン
|
2,387,900
|
2,733,201
|
14.5%
|
9
|
ブラジル
|
3,381,728
|
2,429,463
|
-28.2%
|
10
|
カナダ
|
2,068,189
|
2,283,474
|
10.4%
|
11
|
フランス
|
2,229,421
|
1,970,000
|
-11.6%
|
12
|
タイ
|
1,644,513
|
1,915,420
|
16.5%
|
13
|
イギリス
|
1,393,463
|
1,682,156
|
20.7%
|
14
|
ロシア
|
1,403,244
|
1,384,399
|
-1.3%
|
15
|
トルコ
|
1,094,557
|
1,358,796
|
24.1%
|
小計
|
|
67,316,870
|
79,918,902
|
18.7%
|
その他
|
10,266,649
|
10,861,681
|
5.8%
|
|
合計
|
|
77,583,519
|
90,780,583
|
17.0%
|
※スマホ横持推奨
2015年メーカー別自動車販売ランキング/千台
|
||||
ランク
|
メーカー
|
販売台数
|
世界シェア
|
傘下
|
1
|
トヨタ
|
10,151
|
11.3%
|
ダイハツ
|
2
|
VW
|
9,930
|
11.1%
|
アウディ・ポルシェなど
|
3
|
GM
|
9,840
|
11.0%
|
|
4
|
ルノー・日産
|
8,528
|
9.5%
|
|
5
|
現代
|
7,760
|
8.7%
|
起亜
|
6
|
フォード
|
6,635
|
7.4%
|
|
7
|
ホンダ
|
4,710
|
5.3%
|
|
8
|
FCA
|
4,610
|
5.1%
|
フィアット・クライスラー
|
9
|
PSA
|
2,973
|
3.3%
|
プジョー・シトロエン
|
10
|
スズキ
|
2,880
|
3.2%
|
|
|
小計
|
68,017
|
75.8%
|
|
|
その他
|
21,660
|
24.2%
|
|
|
世界販売台数
|
89,677
|
100.0%
|
|
・資料:OICAなど、台数は傘下グループ含む。
|