国交省/オートランプ全車義務化へ

国土交通省は、日没前後の交通死亡事故が相次いでいるとして、自動車メーカー各社に対し、一定の暗さになれば車のヘッドライトが自動で点灯する機能「オートライト」の装備を義務づける方針を固めた。

多くの車両でドライバーの判断に任されている点灯の遅れを防ぎ、事故の減少につなげたい考え。

国交省は、自動車の安全対策を検討する19日の交通政策審議会でこの方針を示す。

義務付ける対象は、四輪車の新型車とし、義務化を始める時期や自動点灯する際の暗さの基準を議論する。

同審議会での議論を経て、道路運送車両法に基づく保安基準を改正する。

オートライトは、車のセンサーで周囲の明るさを検知し、一定の暗さになると自動でヘッドライトが点灯する。逆に明るくなると自動で消灯する。

欧州連合(EU)は、2011年から新型車のオートライト装備を義務化しているが、日本自動車連盟(JAF)の2014年8月の調査では、国内での装備は3割程度にとどまっている。

警察庁は、日没時刻の前後1時間ずつを「薄暮」とし、この2時間に起きた事故を集計。それによると、2014年に交通事故で死亡した4113人のうち535人(13%)は、薄暮に起きた事故で亡くなった。

このデータを基に交通事故総合分析センターが、対人事故のケースを調べたところ、日没前の1時間の事故は40件あり、このうち8割の33件はライトを点灯していなかった。暗くなり始めているのに点灯していなかったことが影響した可能性があるという。

薄暮での事故死者535人を月別でみると、10~12月の3ヶ月間の死者は213人。その8割近くを65歳以上の高齢者が占めた。

国交省担当者は「冬季は日没が早く、お年寄りの外出が多い時間と重なる」とみている。

日本のメーカー各社は既に、EU向けの輸出車にはオートライトを装備させている。国交省担当者は「(新たな)技術を開発する負担はなく、事故防止策としても効果が見込める」と期待している。

◇「日没30分前から」1%満たず JAF点灯状況調査
ヘッドライトの点灯についてはJAFが2014年、全国各地で4万4910台を対象に調査を実施した。その結果、安全性を高める目安とされる日没30分前からの点灯は、全体の0.9%しかなかった。
道交法は、日没時点で点灯するよう定めているが、日没5分後以内にヘッドライトを点灯している車は22.8%、10~15分後の間でも72.7%にとどまった。

JAFは、この調査とは別に、2014年8月にドライバーを対象としたアンケート調査も実施。回答した2098人の56.8%が日没以降に点灯していた。「スモールランプやフォグランプで十分」「周囲が見えているので運転に差し支えない」の2つの理由が7割を占めた。

以上、毎日新聞参照

 

オートランプやオートドライブは、バブル時代のクラウンにはすでに付いていた。オートランプはトンネルなどで付けたり消したりせずに済み便利だ。

最近は軽自動車の高グレード車にも付いている。

日本の場合、上記以外に自動ブレーキや急発進防止装置など制御システム設定車がいろいろあるが、グレードによる差別化により、限りなく高く売る戦術を取っている。安全は金で買えの論法であるが、半導体やセンサーは限りなく安くなっており、ほどほどの価格で導入できる。ましてやすでに多くの車両で付けられており、プログラミングや技術的な問題もない。

夕暮れ時も含めて夜、歩行や自転車の高齢者と自動車が接触したり衝突したりするケースは、高齢者側にも問題がある。田舎や郊外の夜道を懐中電灯も持たず反射板も付けず、黒色系の服を着て歩行していたら、自動車の運転手はライトでも、事前に見つけ難い。道路は自動車と人が共有しているもの、双方が安全に気を配る必要がある。

 

あわせて読みたい