2015年の現代自動車Gを紐解く
韓国の自動車市場は、欧州とのFTA締結から欧州勢の車両が市場を駆逐し始めている。特に中国同様ドイツ車人気が高まり、VW車は不正排ガス問題にめげず大売れしている。
現代自動車の2015年の売上高は、前年比3.0%増の91兆9587億ウォンで過去最高の売上高を計上した。ただ、営業利益は同比▲15.8%減の6兆3579億ウォンとなっており、販売台数を増加させるため、安売りした実態が明らかになっている。それも昨年は為替がウォン安になっており、以外と内実は深刻のようだ。
欧州とのFTA締結前には現代自動車の国内市場シェアは48%超あったものが、今では39%台まで落としている。
韓国の現代と起亜自動車グループの2015年における販売台数は802万台で世界5位は前年と変わらなかった。
<1月は韓国勢不調>
ただ、1月の韓国の自動車5社の現代・起亜・韓国GM・双龍・ルノーサムスンの韓国内外の販売台数の合計は、前年同月比▲12.6%減の62万6,315台と韓国メディアのアジア経済が報じている。価格が安く競争力を持ち強い中国・ブラジル・ロシアの新興国での減少が大きいという。
<韓国・亜州経済は・・・>
韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版はこのほど、世界経済の回復の遅れを背景に、
15年はトヨタやフォルクスワーゲンが販売台数を減らすなか、現代自動車は販売台数を伸ばしたと伝え、「16年はさらなる成長に期待がかかる」と伝えた。
15年はトヨタやフォルクスワーゲンが販売台数を減らすなか、現代自動車は販売台数を伸ばしたと伝え、「16年はさらなる成長に期待がかかる」と伝えた。
記事は、韓国自動車業界の情報として、15年の自動車販売台数がもっとも多かったメーカーはトヨタで1015万台に達したことを紹介。続いてフォルクスワーゲンが993万台、GMが984万台、ルノー・日産自動車連合が849万台、現代自動車グループが802万台だったと伝えた。
さらに、トヨタの15年の販売台数は前年比0.8%減、フォルクスワーゲンは排ガス不正問題で同2.1%減、GMは同0.8%減だったと伝え、「3大メーカーの販売台数が減少した最大の理由は新興国での需要減退にある」と主張している。
一方で、ルノー・日産自動車連合と現代自動車グループの販売台数は小幅ながらも増加したと伝え、「日本やドイツの自動車メーカーが通貨安を武器に販売攻勢をかけたなかで、現代自動車グループの販売台数が伸びたことは極めて大きな意味がある」と論じている。
また記事は、現代自動車グループの関係者の話として、同社がこれまでグローバルな規模で生産拠点を構築し、現地化戦略を進めてきたことや、品質やブランド力、認知度の向上といった要素が販売台数の増加につながったと分析している。
中国市場では、一時の勢いが減退しつつある現代自動車だが、それでも世界規模で見た場合は好調を維持していると言えよう。
以上、亜州経済
上述したとおり、起亜を入れた現代グループは、売上高と営業利益のギャップが大きく、それも2015年は2014年に比しウォン安になっているにもかかわらず、2桁の営業減益となっている。物流経費なども原油安から落ちているはずであり、いかに販売台数を伸ばすかに焦点を絞り、値引き攻勢をあちこちで仕掛けた結果となっていると思われる。
中国では一時大幅値下げしても売れなかったが、年末新車構成で少し取り戻していた。
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2015年の現代グループの販売台数
|
||||
|
現代
|
起亜
|
||
/万台
|
台数
|
前年比
|
台数
|
前年比
|
韓国
|
68.51
|
4.2%
|
46.52
|
13.4%
|
アメリカ
|
76.17
|
5.0%
|
62.58
|
7.9%
|
カナダ
|
13.56
|
-1.8%
|
6.79
|
-3.0%
|
ドイツ
|
10.84
|
8.6%
|
5.56
|
4.0%
|
フランス
|
2.39
|
39.6%
|
2.91
|
3.4%
|
ブラジル
|
16.36
|
-8.9%
|
なし
|
|
PSA分
|
3.47
|
-28.6
|
なし
|
|
ロシア
|
16.12
|
-10.3%
|
16.35
|
-16.4%
|
インド
|
47.60
|
15.6%
|
なし
|
|
中国※
|
167.88
|
-4.9%
|
(韓国勢)
|
|
豪州
|
10.29
|
-3.0%
|
なし
|
|
その他
|
63.29
|
|
164.38
|
|
合計
|
496.48
|
0.0%
|
305.09
|
0.3%
|
・総合計は前年比 0.1%増の8,015.745台
|
注、中国は現代に一括計上しているが韓国勢の数値。