景気が減速する中国、VWも減産の生産調整

自動車や建設向けの需要が落ち込む鉄鋼の生産は今年、1980年代以降で初めて前年を下回るのが確実な情勢。
独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が減産を始めたほか、建設機械大手の日立建機は8月の工場稼働日数を通常の半分にする。
生産減は中国景気を一段と下押ししかねず、世界経済の不安要因になっている。

ドイツの自動車産業は、中国市場で成り立ち、尖閣問題で日本勢がペシャッた間に、メルケルが習とお友達になり、相互に訪問して逢い引きを重ね、VWはそうした支援を受け昨年までボロ儲けを続けてきた。
VWの2014年の中国市場における販売台数は前年比12.5%増の368万台でメーカー別ではトップだった。ドイツ系全体でも前年比16.9%増の394万台であり、VWのウエイトは93.4%と為っていた。
ところが、中国経済の低迷により、昨年からブランド物が売れなくなり、仏・英・伊・米のブランド会社がダメージを受けていた。自動車こそ6.9%増の2349万台販売されたが、今年に入り、スマホ同様、頭打ちとなった。
7月までの中国における自動車販売台数は、前年同期間比0.4%増の1335万台の微増にとどまる中、中国民族系の車両の販売が伸び、最近では韓国勢と独勢がその煽りを食っている。

中国の自動車市場はスマホと同じくすでに飽和状態となっており、奥地への展開も人口や所得も少なく利益に寄与するほどではない。沿岸部はすでに1所帯2台となっており、主要都市でも同じ傾向にすでに達している。今後は乗り換え需要をターゲットにすべきであり、若者や2回目の取得ではユーザーは自分の好みを前面に押し出す傾向にある。そのため民族系のSUVがバカ売れし、マツダなど日系車のSUV・MPVも売れている。

  
2015年7月までの中国自動車販売市場の独系
 
前年同月比
2015年
独系
韓国系
民族系
全体
7月
-20.6%
-32.7%
5.1%
-7.1%
6月
-11.5%
-29.0%
-0.1%
-2.3%
5月
-9.9%
-9.9%
8.2%
-0.4%
4月
-9.6%
2.5%
14.3%
-0.5%
3月
-3.4%
10.2%
21.3%
3.3%
2月
-0.8%
0.9%
19.7%
-0.2%
1月
12.3%
-9.0%
21.5%
7.6%

 

2015年7月の中国自動車販売市場の独系
 
7
1~7月
 
万台
前年比
万台
前年比
民族系
49.42
5.1
467.88
13.6
独系
24.57
-20.6
223.35
-5.6
韓国系
8.42
-32.7
89.76
-9.2
米国系
14.64
-20.6
136.39
-3.0
仏系
3.88
-31.7
40.43
-1.3
日系
25.66
22.4
176.49
4.9

 

2014年のアメリカでの独勢の自動車販売台数
VW
366,970
-10.0%
BMW
339,738
9.8%
Mercedes
330,391
5.7%
Audi
182,011
15.2%
Porsche
47,007
11.1%
smart
10,453
12.8%
独合計
1,276,570
 
参考 トヨタ
2,373,771
6.2%

 

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