6月の中国自動車市場 低迷の中、日本勢堅調
中国の自動車市場も景気低迷を受け、6月の自動車販売台数は前年同月比▲2.3%減の180.31万台となり、1~6月の累計でも前年同期比1.4%増の1,185.03万台にとどまっている。昨年の6月までの累計は8.4%増であり、伸び率の落ち込みは明らかとなっている。ある程度普及し尽し、経済状況に反応するようになってきたともいえる。
昨年は全体が6.9%増だったのに比し民族系は3.1%増にとどまり、中央政府も何故増えないのか、努力するように民族系の尻を叩いていた。それが奏功したのか、公務員に対する贅沢禁止令の効果なのか、今年の上半期は全体が1.4%増に対し14.6%の大幅販売増を達成させている。6月は長城汽車が4.7%増、吉利汽車が22.0%増となっている。
そうした中、日本勢も、堅調に推移させている。日本観光ブームもあり、中国における日本の露出度も多くなってきており、日本全体の技術や品質・性能も含め見直され、その効果が徐々に浸透してきているようだ。
・トヨタは、6月の中国新車販売が41.7%増の10万600台となり、2桁の大幅プラスを達成。前年実績を上回るのは3ヶ月連続プラス。主力車「カローラ(Corolla、卡羅拉)」が2万5,000台を突破し販売を牽引、小型車「ヴィオス(Vios、威馳)」や中級セダン「レビン(Levin、雷凌)」がそれに続いた。1~6月の累計販売は10.1%増。
・ホンダは、6月の中国新車販売が26.1%増の7万3,381台となり、4ヶ月連続プラス。新型SUVの「ヴェゼル(Vezel、繽智)」と「XR-V」が引き続き好調を維持し、「オデッセイ(Odyssey、奥徳賽)」は166.2%増、「フィット(Fit、飛度)」は53.5%増、「スピリア(Spirior、思鉑睿)」は102.9%増となった。1-6月の累計販売は30.4%増。
・日産は、6月の中国新車販売は前年比微増だが、小型車「シルフィ (Sylphy、軒逸)」や小型SUV「エクストレイル(X-Trail、奇駿)」に加え、1月に発売した「ヴェヌーシア(Venucia、啓辰)」ブランド初のSUV「T70」が牽引。下半期は新型「ムラーノ(Murano、楼蘭)」が販売増加に貢献する見込み。
・マツダは、6月の中国新車販売が14.2%増の1万7,400台、1~6月の累計販売が17.3%増の11万5,979台となった。「マツダ3アクセラ(Mazda3Axela 昂克賽拉)」などスカイアクティブ技術搭載の3車種が牽引し、累計販売は上半期として過去最高を更新。同社は8月に「マツダ6アテンザ(Mazda6Atenza 阿特茲)」の2015年モデルを投入予定。
なお、中国市場においては、SUVの伸びが、6月単月でも1~6月累計でも4割以上の大幅な伸びとなっている。そうしたことから小型乗用車の販売比率が高いVWはマイナスとなっている。
また、国の環境政策により民族系も含めPHVや電気自動車の生産が急増している。6月の電気自動車(EV)の販売は3.7倍の1 万4,699台、生産が4倍の1万2,864台、プラグインハイブリッド車(PHV)の販売が2.8倍の6,356台、生産が3.1倍の6,289台。 1~6月の累計では、EVの販売が3.9倍の4万6,219台、生産 が4倍の4万9,042台、PHVの販売が2.9倍の2万6,492台、生産が3倍の2万7,181台となっている。(中国民族系のEVやPHVの性能面やEVの充電の利便性は不知)。
※スマホ横持推奨
中国市場 国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)/中国汽車工業協会編
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2015年6月
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2015年1~6月累計
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台数
|
シェア(%)
|
前年
|
台数
|
シェア(%)
|
前年
|
|
(万台)
|
同月比(%)
|
(万台)
|
同期比(%)
|
|||
民族系
|
57.08
|
37.8
|
-0.1
|
418.46
|
41.5
|
14.6
|
日系
|
29.24
|
19.3
|
8.3
|
150.78
|
14.9
|
2.4
|
独系
|
28.56
|
18.9
|
-11.5
|
198.83
|
19.7
|
-3.4
|
米国系
|
21.34
|
14.1
|
6.3
|
121.75
|
12.1
|
-0.3
|
韓国系
|
9.77
|
6.5
|
-29
|
81.34
|
8.1
|
-5.8
|
仏系
|
5
|
3.3
|
-16.2
|
36.55
|
3.6
|
3.6
|
※スマホ横持推奨
中国の自動車生産台数/中国汽車工業協会編
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2015年6月
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2015年1~6月累計
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台数
|
シェア
|
前年
|
台数
|
シェア
|
前年
|
|
(万台)
|
(%)
|
同月比(%)
|
(万台)
|
(%)
|
同期比(%)
|
|
轎車
|
90.32
|
48.8
|
-11.6
|
590.87
|
48.9
|
-4.4
|
MPV
|
13.64
|
7.4
|
7.5
|
105.68
|
8.7
|
16.4
|
SUV
|
46.67
|
25.2
|
40.8
|
272.75
|
22.6
|
47.6
|
微型バン
|
8.11
|
4.4
|
-31.6
|
63.48
|
5.2
|
-17.7
|
乗用車
|
158.74
|
85.8
|
-0.7
|
1,032.78
|
85.4
|
6.4
|
商用車
|
26.34
|
14.2
|
2.9
|
176.72
|
14.6
|
-14.9
|
合計
|
185.08
|
–
|
-0.2
|
1,209.50
|
–
|
2.6
|
中国市場 日系メーカーの新車販売台数
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2015年6月
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2015年1~6月累計
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メーカー
|
台数
|
前年
|
台数
|
前年
|
備考
|
(万台)
|
同月比
|
(万台)
|
同期比
|
||
トヨタ
|
100,600
|
41.7%
|
512,800
|
10.1%
|
輸入車 含む
|
日産
|
93,600
|
0.1%
|
587,900
|
5.7%
|
|
ホンダ
|
73,381
|
26.1%
|
460,901
|
30.4%
|
|
マツダ
|
17,400
|
14.2%
|
115,979
|
17.3%
|
|
スズキ
|
13,453
|
-37.1%
|
109,628
|
-18.5%
|
|
三菱
|
7,108
|
0.0%
|
49,914
|
22.2%
|
|
スバル
|
4,277
|
-6.3%
|
24,503
|
-19.2%
|
韓国勢の不振は、新車販売の出遅れと、流行のSUVなどを武器とする民族系の販売台頭で競争にさらされたと韓国紙は分析している。韓国勢は秋商戦の9~12月にかけ、SUVの新型「ツーソン」とセダン新型「K5」を発売し、回復を狙うとしている。
中国の今後は、中古車販売価格もメーカー人気度のバロメーターになる。中古車価格が安ければ、それなりに維持費がかかったり、問題があったりし、スタイルも悪かったりし、品質やコストパフォーマンスに優れていれば、下取り価格や中古車価格も高くなることだろう。
中国民族系は別として、ドイツ・アメリカ・日本・韓国となる。スタイルも含めコストパフォーマンスに優れた中古車のメーカーはどこになるのだろうか。まさか・・はあるまい。