トヨタ 新興国戦略車「IMV」11年ぶりに全面刷新
トヨタは新興国戦略車「IMV」を全面刷新した。第1弾としてピックアップトラックを21日にタイで発売し、世界各地でミニバンや多目的スポーツ車(SUV)も生産・販売する。
IMVは年間販売台数が100万規模に達する主力シリーズだが、足元では売れ行きに陰りも出てきた。燃費性能などを高め、競争を勝ち抜く。
21日午前、タイ・バンコクの大型展示場は約千人の地元メディア関係者でごった返す中、棚田京一常務役員は「世界的に売れているピックアップトラックで革命を起こす」と力をこめた。同モデルの一大市場であるタイから、アジアや中東などに輸出する。
トヨタは2004年にIMVを発売。共通のプラットホーム(車台)を活用して新興国向けのピックアップトラックやミニバンなど複数のモデルを生産し、現在は190を超す国・地域で販売している。12年には110万台を販売したが、いすゞ自動車などとの競争が激しくなった。資源価格の下落も新興国経済に影を落とし、14年の販売台数は約97万台に減った。
新型車は、骨格部品やエンジンを全面刷新して競争力を高めた。「頑丈さだけでなく、乗り心地や静粛性も併せ持つ車両に仕上げた」(開発担当の中嶋裕樹常務役員)。
燃費性能は、従来型に比べて約1割向上している。今後2年程度をかけ、約10ヶ国・地域に広がる生産拠点で、新型車への切り替えを進める計画。
タイでの最低価格は56万9千バーツ(約206万円)に設定した。新技術を盛り込んだが、値上げ幅は1割程度という。
これまでよりも複数のモデルで共有する部品を増やしたほか、部品の現地調達率も高めている。
トヨタの調達部門が協力し、既に現地に進出している部品メーカーが地元で購入する構成部品を増やす活動を広げ、性能向上と原価低減の両立を目指している。
以上、報道参照