7月の中国自動車市場 日本勢苦戦 各社の状況

中国の7月の新車の販売台数は、前年同月比6.7%増え、中国の自動車市場は拡大が続いているが、日本車は欧米勢との価格競争の激化などで販売シェアを落とし、苦戦が目立っている。

中国自動車工業協会の発表によると、7月の新車の販売台数は、前年同月比6.7%増の約161万8100台となり、17ヶ月連続で前年を上回った。
このうち大半を占める乗用車について、日本車の販売台数は、先月は約20万9600台で、昨年同月比▲3.8%減少、乗用車全体の販売に占める国別のシェアは前月より▲1.8ポイント下落し15.4%となった。
一方、外国勢の中で、首位のドイツ車の先月の販売台数は、約30万9400台と、日本車より10万台近く多く、販売シェアも22.7%と、前月より2ポイント以上伸ばし日本勢との差を広げた。

このほかの国もアメリカが13.5%、韓国が9.2%、フランスが4.1%といずれも前月より販売シェアを伸ばしているが、日本勢は、外国車の中でシェアを落とし、苦戦が目立っている。

これについて、日本の自動車業界の関係者は「欧米勢が中国市場のシェア拡大に向けて激しい値下げ競争を仕掛けていて、日本車の中国での販売台数は全般に増えてはいるものの、主なメーカーは当初の目標に届いていない」と話している。
以上、報道参照

1、日産の中国での7月は、前年比▲12.3%減の約7万9,500台。1~7月は、前年同期間比10.7%増の約69万9,900台。今年は前年比10.6%増の140万台の販売が計画。

2、ホンダの中国での7月は、▲22.7%減の3万9,543台にとどまった。
7月自動車販売台数の内訳は、ホンダと広州汽車との合弁企業である、広汽本田の販売台数が、前年同期比▲15.0%減の2万7,208台。
東風汽車との合弁企業である東風本田の販売台数が、前年同期比▲35.5%減の1万9,133台となっている。「フィット(飛度)」だけは約2.8倍の9,472台と伸ばした。
ホンダ中国市場1~7月の自動車販売台数は、前年同期間比6.9%増の39万2,959台(マークラインズ)。
こうした状況下、ホンダは8月以降「オデッセイ(奥徳賽)」や「スピリア(思鉑睿)」などの新型車を相次ぎ投入するほか、今年後半にはSUV「ヴェゼル(缤智)」も発売する予定。

3、トヨタの中国の7月は、前年度月比▲1.1%減の7万5,600台にとどまった。1~7月の累計販売台数は、前年同期間比で9.8%増の54万700台。中国での2014年の売上台数は、前年比11.9%増の110万台を計画している。

4、マツダの中国の7月は、36.4増の1万5,934台となった。 1~7月の自動車累計販売台数は、前年同期間比21.8%増の5万1567台。アテンザとアクセラが好調。
1月~7月自動車販売台数の内訳は、第一汽車との合弁会社の一汽マツダの販売台数が、前年同期間比▲2.2%減の6万3,219台。長安汽車と合弁会社の長安マツダの販売台数は、前年同期比で74.6%の大幅増の5万1,567台となっている。

<中国市場の内陸部への拡がり>
中国市場は、裕福な世帯が多い沿海部から、内陸部へ市場が広がっており、小型車中心により価格パフォーマンスに優れた車両の販売が伸びている。
中・高価格帯車でもディーラーの値引き攻勢の前では、ミエを最重要視する中国人にとって購買欲を掻き立てるものとなっているようだ。

<独禁法違反による圧力>
ただ、先般から報道されているように、当局は独禁法違反をちらつかせ、合弁だろうがお構いなしに外資メーカーに対して、圧力をかけ始めている。その理由としては、米国との情報セキュリティ抗争や貿易摩擦問題のほかに、次のことが考えられている。
これは、最近の中国の純国産車の販売が、台数もシェアも輸出もマイナスとなっており、中国政府が苛立ち始めていることにある。合弁の中国側企業も、後発ゆえに低燃費・品質などのパテント問題、膨大な開発費を負うより、外資との合弁により他力本願で儲けていた方が無難と考えていることによる。
携帯電話スマホで中国勢は、アップルとサムスンのパテントを使い放題だが、これは、アップルもサムスンも裁判で勝利したとしても中国市場で、当局から圧力をかけられることを嫌っていることに他ならない(前例を見せ付けられている。MSに対しても厳しい対応をしている)。
しかし、自動車の場合は、部品メーカーも含めあまりに多くの外資が参入しており、当局は修理部品の独禁法違反くらいでしか、取り締りできないものとなっている。

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