日産/軽自動車を苅田工場で生産へ  三菱・スズキとの関係離縁へ ホンダに刺激受け

日産が、2002年スズキからMRワゴンをOEM供給受け、「MOCO」を販売してから11年が経ち、本年は三菱と共同開発によりDAYZを販売、宣伝効果もあり大きく売れた。味をしめたのか、昔のシルビアのような車を出せなくなったことからか、福岡の苅田工場を軽自動車の生産工場にするという。DAYZは現在、三菱が生産を担当している。

日産自動車が軽自動車の生産に乗り出すと報道されている。
来年度にも福岡県の北九州市に隣接した子会社の苅田工場で生産を始めるという。ゴーン体制になり、国内では爆発的なヒット車種もなくなり、また、自動車の海外生産が進む中、国内工場利用を再検討したうえで、DAYZの販売好調により、苅田工場を活かすため今回の発表となったものと思われる。

こうしたことは、これまで供給してきたスズキや三菱と軽自動車販売で完全ライバルとなることを意味し、円安で多少命綱が伸びた三菱は直接打撃となる。
スズキにしても商用車分野では、今後とも日産に対して供給は続けるものと思われるが、日産にとっては、軽乗用は自社生産、スズキにも大きく影響してくるものと思われる。

苅田工場では年産10万台を予定しており、DAYZおよび来期に三菱との共同開発車も自社生産する。
10月のDAYZの販売台数11,686台(6位)、日産の1~10月までの販売台数は、MOCOの3321台(10月までの本年累計47,889台)などを含め、前年比14.9%増の153,492台を販売している。伸び率としては、ホンダの27.2%増に次ぐ伸び率となっている。
軽自動車市場の販売台数は、平成24年は、1,972,600台、平成23年1,688,937台と16.7%増伸びている。
一方、10月までに、普通自動車はエコ補助金で落ち込んでいる(普通▲4.6%減、小型▲10.9%減、計▲8.0%減)なか、軽自動車は、前年比3.4%増で推移している。

今回の日産の決定は、ゴーンさんが、中国で販売台数が持ち直し、国内のしょぽむ普通車市場を見、ホンダの軽のN BOXに刺激された結果だろう。

あわせて読みたい