ホンダのアジア戦略 インド・中国・インドネシア・ベトナム
＜インド＞バイク工場 投資額247億円(第3工場) 60万台、全体180万台体制
本田技研工業は2013年5月28日、インド現地法人が、インド南部のカルナータカ州ナルサプール地区に建設した第3工場を6月から本格稼働すると発表した。
バイクを年間120万台を生産する工場で、今期中に年間60万台の生産能力拡大を行い、生産能力は年180万台。
第3工場への投資額は、今期中のさらなる能力拡大も含め、135億ルピー（247億円）となる予定。
■工場概要（第3工場）
所在地：カルナータカ州ナルサプール地区
生産能力：120万台／年（稼働開始時）、180万台／年（2014年前半予定）
敷地面積：39万㎡
生産機種：スクーター（Activa）、モーターサイクル（ドリームユーガ）
従業員数：約2,600人（2013年5月時点）、約4500人（2013年末）
＜中 国＞完成自動車とエンジン工場 投資額593億円(第3ライン) 全体101万台体制に
2013年5月28日、中国での四輪車生産販売合弁会社である広汽本田汽車が、増城工場の敷地内に、新たに完成車の第3ラインとエンジン工場の建設に着工したと発表した。
第3ラインは、中国での自動車メーカーで最大となる1万キロワットの太陽光発電システムを導入するなど環境に配慮した省エネルギー型の生産ライン。
塗装工程ではショートプロセス高機能塗装技術を、プレス工場では高効率のレーザー溶接機を採用するなど、先進的で高効率な生産ラインとなっている。
ラインは2015年に稼働開始予定で、稼働開始時の年間生産能力は12万台、将来的には24万台までの能力拡大を計画している。
2015年の広汽ホンダの四輪車年間生産能力は、現在の48万台から60万台に、本田技研工業の中国での四輪車年間生産能力は、現在の87万台から101万台へ拡大する。
投資額は、第3ライン（年間生産能力24万台まで）とエンジン工場を合わせて、35.6億元（約593億円）となる見込み。
＜インドネシア＞完成自動車工場 投資額270億円 6万台 全体18万台体制
(１)2012年6月4日、インドネシアで新四輪車工場を着工したと発表した。
新工場の年間生産能力は12万台で、急速に拡大するインドネシア市場に対応するため、2014年中の稼働を予定している。
投資額は約3兆1000億ルピア（約270億円）で、立ち上げ時の従業員数は約2000名を予定。これにより、年間生産能力6万台の既存工場と合わせたHPMの年間生産能力は18万台となる。
現地での開発力を高め、高効率な生産体制を構築し、現在約50％であるインドネシアにおける部品の現地調達率を約80％まで高める。
(２)バイク工場 投資額275億円 第4工場 530万体制
2012年3月13日、インドネシアの子会社AHJ がスクーターモデル専用に年間生産能力110万台規模の第四工場建設を決定した。
ジャカルタ中心部から東に約70kmにあるブキットインダ工業団地に建設される第四工場は、2013年秋の稼働開始を予定。新工場への投資額は約3兆1280億ルピア（約275億円）で、新たに約3000名の従業員を採用し、既存工場とあわせて従業員は約2万1000人となる予定。
AHJの年間生産能力は、第四工場の建設により既存の第一、第二、第三工場と合わせて530万台となる。
■AHJの概要
設立：2000年12月
稼働開始：2001年1月
本社所在地：インドネシア ジャカルタ市
資本金：1850億ルピア（約16.3億円）
出資比率：本田技研工業50％、ピー・ティ・アストラインターナショナル50％
事業内容：二輪車の部品製造、エンジン・車体組立および卸販売
生産能力：420万台／年（第一工場 100万台、第二工場 100万台、第三工場 220万台）
従業員数：約1万8000人（2012年1月末時点）
生産機種：Supra X 125、Revo、Blade、Mega Pro、Tiger、Vario、Vario Techno125、BeAT、CS1、Scoopy、Spacy Helm-In
販売店数：1775店（2012年2月末時点）
＜ベトナム＞バイク工場 50万台 全体250万台体制に
本田技研工業のベトナム現地法人ホンダベトナムカンパニー・リミテッド(以下:HVN)は、ベトナム二輪車市場の需要に対応するために、新たに二輪車第3工場を建設し、年間生産能力を50万台に拡大すると発表した。
HVNは、1997年に二輪車の生産を開始し、2011年までに200万台の生産体制を構築。第3工場の建設により、HVNの生産能力は年間250万台となる。
■工場概要(第3工場計画)
所在地：ハナム省(ハノイ南方40km)
立ち上げ：2012年後半
生産能力：50万台／年
従業員数：約1800名
延床面積：5.1万㎡
敷地面積：27万㎡
主な生産機種：スクーター系
