デンソー/3月決算 大増益 自動車販売好調と円安メリット

同社は3月決算について、自動車業界については、欧州では車両販売が前年割れとなったが、好調な北米や東南アジア地域等の新興国市場の増加により、 世界市場全体としては緩やかに拡大し、過去最高の販売台数となった。特に日本では、エコカー補助金による押し上げ効果や、前年の東日本大震災による低迷の 反動もあり、通年では大きく伸びた。

中国での日本車買い控えによる減産の影響があったものの、日本・北米・豪亜地域での車両生産の増加に加え、ここ数年続いた歴史的な円高傾向が一服し、業績は好転した。

環 境分野では、既存エンジンの改良による燃費向上に貢献する技術として、車両停止時にエンジンを止めるアイドルストップシステムの主要部品である「リチウム イオン電池パック」を製品化した。これは、リチウムイオン電池セル、バッテリーマネジメントユニット、電源切り替えスイッチを一体化したもので、従来の鉛 バッテリーのみのシステムと比較し、より多くの回生電力を活用することができる。また、エアコンでは、アイドルストップ時にエンジンが停止した状態でも車 室内の温度上昇を抑制する「蓄冷エバポレーター」を開発した。これらの製品は、スズキの新型ワゴンRに搭載されている。

また、内燃 機関の効率向上に貢献するガソリン直噴システムのインジェクターや高圧ポンプ等の製品が、マツダの高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」に 搭載されました。ディーゼル車に対しては、次世代コモンレール技術「i-ART」を世界で初めて実用化した。これは、インジェクターに搭載されたセンサー により燃料噴射の量やタイミングを緻密に制御する技術で、排出ガスを低減し燃費向上にも貢献する。この製品は、トヨタのブラジル向けハイラックスに搭載さ れた。

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