フォード 小型車生産を中国へ全面移管 中国製を輸入へ
フォードは20日、経営を効率化するため小型車の生産を中国に移管すると発表した。
アメリカ2位の自動車メーカー フォードは、中西部ミシガン州で生産している小型車の生産を来年半ばに打ち切り、次期モデルからは主に中国で生産すると発表した。
ミシガン州の工場では、新たにピックアップトラックなどを生産するため雇用は維持される見通しだが、フォードは生産体制の見直しによって5億ドル、日本円にして約560億円の経費を削減できるとしている。
行儀の良いフォードは、アメリカ国内での生産を求めるトランプ大統領に応じる形で今年1月、メキシコでの新工場の計画を撤回し、国内への投資を強める方針を明らかにしていた。
しかし、その後、アメリカでの新車販売台数が前年を下回り経営環境が厳しくなる中、5月、事務職を中心に1400人の雇用を減らすことを明らかにし経営の効率化を急いでいる。行儀の良さも現実には変えられなかった。
GMも6月1000人の人員削減を発表しており、米自動車大手は、トランプ大統領の政策を支持する姿勢を見せる一方で現実的な経営判断を行っているのが実情で、トランプ政権の出方が注目される。
以上、
フォードが中国で生産し、米国へ輸入すれば、今後、中国製の自動車が大量に米国へ輸入される可能性がある。
韓国の現代グループは、中国で年内に30万台生産キャパの重慶工場が完成しグループの生産キャパ合計は280万台となるが、昨年販売されたのは179万台。今年に入り、THAAD配備問題で不買運動が発生し、大きく販売台数は落ち込んでいる(3・4・5月は各月6割前後マイナス)。河北新工場では一時生産調整に入るなどしているが、今後、回復しなければ既存の工場さえ大幅なリストラを行う必要に迫られる。
中国で輸出用の自動車を生産するにしても、世界中で保護貿易が台頭しており、輸出先は限られる。
また、フォードが中国製を米国に輸入するにしても来年半ば以降。現代Gはその様子を見てから、米への輸出用を中国で本格生産するものと見られる。
ただ、それに立ちはだかるのは米トランプであり、現在でも現代Gは米国での販売台数142万台の6割以上を主に韓国から輸出している。
THAAD配備問題では、親中親北政権の文在寅が、米に撤去させれば、中国での販売は回復していこうが、米国では反韓感情が拡がり、FTA見直し、貿易赤字是正問題から、米国側が強い態度挑み、大幅な関税アップを課せられ、販売台数を大幅に減少させる可能性がある。リコール隠し問題やパワステ訴訟問題も抱えている(シータ2エンジンで米で和解した費用は最大1千億円とも言われ、今後順次発生していく)。
北朝鮮による米学生の送還死亡事件、中国の北朝鮮政策は生ぬるいとトランプ政権は見たようだが、中国習は娘のイバンカ夫妻を中国に招待する発表している。絶妙のタイミングである。
中国は、北朝鮮からの石炭輸入を2月までに今年分を停止したが、国連制裁を受けない民間用の鉄鉱石の輸入を急拡大させている。中国習に手のひらの上で弄ばれている米トランプであろうか。
トランプのフォードに対する言動なり扱いが注目される。