米自動車販売に不振の兆候か 在庫急増

ロイターは3月1日、米国の自動車販売業界に異変が生じていると次のとおり報じている。

米ニュージャージー州マールトンの自動車販売店で37年働いてきたラリー・クル氏はここにきて初めて、売れ残ったホンダ車の保管スペースを借りることを余儀なくされた。これは、米自動車販売ブームが冷え込み始めた新たな兆候だ。
自動車生産台数が、販売台数を上回る中、全米各地の販売店では在庫が積み上がっている。
オートモーティブ・ニュース・データ・センターによると、2月初め時点の在庫日数は約85日と、年初より約22日、前年同期より8日長くなってきている。
  ホンダ販売店のクル氏は「売れ行きはいい。売り場にある製品がこれまでより多いというだけだ」と話している。
「シビック」や「アコード」を含む乗用車が在庫日数にして60日分あり、販売店に近いオフィスの駐車場に置いている。個人的には、売り場に置く在庫は45日分にとどめておきたいとの考えだ。
記録的な販売増を遂げた自動車市場の勢いが衰える中、在庫の増加はメーカーが生産減または値引き強化という対応を迫られることを意味する。
ブルームバーグのアナリスト調査によると、2月の米自動車販売は調整後ベースで年率換算1750万台と、前年同月の1770万台からの減速を示す見通しとしている。
  メーカー各社は、大幅な販売減には直面していないかもしれないが、2016年に年間販売が過去最高の1750万台に達した後も販売増が続くかのようなペースで新車を販売店に送り込んでいる。
JDパワーのアナリスト、トーマス・キング氏は、電話取材に応じ、「生産削減や販売奨励策の強化は誰も望んでいないが、現在ではその両方が散見される」と指摘した。
自動車生産の縮小はすでに始まっている。
ゼネラル・モーターズ(GM)とフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)はシフト減やレイオフのほか、販売があまり好調でない車種を製造する工場の稼働休止日を早い段階で計画するといった対応に出ている。
2月の販売台数は、主要自動車メーカー8社のうちGM、ホンダ、フォルクスワーゲンで増加したと予想されている。
GMはフルサイズトラックの値引きを強化などを追い風に約2.5%増加したとみられる。
以上、
すでに昨秋から大幅値下げで販売増を図っている。いつまでも値引き競争はできず、メーカーは頭の痛い季節に至っているようだ。
ただ、内需拡大政策のトランプ効果で今後の動きは不透明、金利は上昇し、物価も上がるが、それ以上の所得増が必要になってくる。トランプ政策により労働需給率はさらに逼迫することから、賃金は上昇するはずだが・・・。
<好調だった米自動車販売台数も伸び率は鈍化し続けている>
トランプ効果により、予想外にプラスに転じる可能性もあるが・・・、トランプ政策のマイナス面は、金利上昇、物価高、賃金伸び率の減退などが上げられる。

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米国の自動車販売台数 年別・月別販売台数 前比=前年比
2014
2015
2016
2017
千台
前比
千台
前比
千台
前比
千台
前比
1
1,012
-3.1%
1,151
13.7%
1,148
-0.3%
1,143
-1.8%
2
1,193
0.0%
1,257
5.3%
1,344
6.9%
1.333
-1.1%             
3
1,537
5.7%
1,545
0.6%
1,595
3.2%
4
1,390
8.1%
1,454
4.6%
1,506
3.6%
5
1,608
11.4%
1,635
1.6%
1,536
-6.0%
6
1,420
1.2%
1,476
3.9%
1,513
2.5%
7
1,435
9.1%
1,511
5.3%
1,522
0.7%
8
1,586
5.5%
1,577
-0.5%
1,512
-4.1%
9
1,246
9.4%
1,442
15.8%
1,435
-0.5%
10
1,281
6.1%
1,456
13.6%
1,372
-5.8%
11
1,302
4.6%
1,331
1.3%
1,380
3.7%
12
1,507
10.8%
1,639
9.0%
1,690
3.1%
合計
16,522
5.9%
17,479
5.7%
17,550
0.4%
13
15,600
7.6%
12
14,491
13.4%
11
12,778
10.3%
1,333,637
-1.1%

 

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