ルノーと三菱の提携にヒビが・・・三菱がお断り申し上げます  軽の日産自社生産が尾を引く

2013年11月、両社はグローバルで商品・技術において協力関係を拡大させることを発表し、これまで、軽自動車の合弁事業をはじめ提携を拡大してきた三菱自動車とルノー・日産連合だった。
具体的な内容は、
1、軽自動車をベースにした小型車のグローバル展開
2、電気自動車に関する技術や商品の共用
3、ルノーから三菱自動車への新型セダン2車種の供給
という3本の矢だった。
3の供給車両は、三菱は、韓国のルノー・サムスン工場での生産車「ラティチュード」を三菱ブランドの新型セダンとして北米に投入する予定であった。その後、ルノーが生産する中型セダンの供給を受け、北米市場に投入する計画であった。三菱は北米市場では、セダンや中型車が売れず撤退、販売のコマ不足に陥っている事情があった。だが、2015年1月中旬計画が破談となり頓挫した。

デイズ&eK
メーカー
日産
三菱
名称
デイズ
eK
12月
10,574
3,486
11月
9,652
4,228
前月比
9.6%
-17.5%
前年比
24.0%
26.2%
14年累計
169,244
57,729
13年累計
78,855
48,395
前年比
114.6%
19.3%

<日産の軽自社生産とルノー車供給でこじれた関係に>
軽自動車の当提携に基づく合弁事業により、実質三菱が生産している日産軽デイズ(三菱eK)、デイズが、すこぶる好調な販売となった。
ところが、こうした好調さに色目を使ったゴーン様が日産の自社工場で生産すると言い出した。

三菱にとっては、こうした噂が立った時、日産が自社生産した場合、日産は、なにやらかにやらで一台当たり約5万円を三菱側に支払わなければならないとされ、日産が自社工場で生産するメリットはないと推測していた。

当然、日産は利益がすっ飛ぶことから、ケチの権化ゴーン様日産が、三菱の足元を見、小切り倒しての自社工場生産の発表だったはずだ。
ところが、三菱にとって、日産デイズだけでも年間17万台も生産する大事な商材、万が一、デイズの生産が日産工場に移れば、三菱の生産工場が空き大変なことになる。
1月19日、日産から正式に軽自動車を2016年から自社生産すると発表がなされた。

時を同じくして、3本の柱の一つ、ルノーの新型セダン2車種を三菱にOEM供給する計画が頓挫していたことが判明している。
三菱は「両社にとってウィン・ウィンになるよう事業化調査を進めてきたが、費用(仕入価格)や為替を含め、当初見込んでいたほど効率的にできなくなったため」と頓挫した理由を説明している。

特に北米市場でセダン車がない状況の三菱にとって、ルノーの新型車の供給は、他車販売への相乗効果もあり、結構毛だらけの案件と思われていた。(ルノーはアメリカでは販売していないことから、ルノーにもメリットがあっはずだが・・・・)

上記理由で頓挫した真の理由は、軽自動車デイズの一方的な日産側の自社生産に三菱が激怒、日産の自社生産によるパテント等の約5万円の三菱側への支払いも小切り・値切られたものの、三菱側が一切譲歩しなかったと思われる。
そのしっぺ返しにルノー日産は、三菱へのルノー車OEM供給につき、納入価格を吊り上げたと思われ、納得できない三菱側により、ルノー車OEM仕入れ計画を断念したものと見られる。

日産にしてみれば、デイズで5万円支払い続けても、近いうちに全部自社製の軽を開発した場合、5万円の支払いもなくなる。中長期的な展望も含め、ゴーン日産も自社工場生産を決断したものと見られる。
ゴーンにしてみれば、ルノーグループで日産が稼ぎ頭になっており、軽の販売での利益が少なくても少しの利益が出ればよし、それより、生産台数と販売台数の数値が上がれば、怪しくなっている長期強権政権のゴーン体制の維持にも役立つと判断したものと見られる。

なお、三菱は、ギャランフォルティスを3月いっぱいまでの受注で生産終了すると発表。後継車はない。ギャランもエボルーションもなくなる。(昔一時ギャランに乗っていたことから寂しい限りだ)

三菱のセダンで現在販売されているのは、高級車領域のプラウディアとディグニティがあるが、日産フーガがプラウディアとして、日産シーマがディグニティとして日産からOEM供給を受け販売されている。
三菱は、i-MiEVに見られるように昔の軽のなりそこないのようなデザインであり、アウトランダーも商用車のようなデザインで売れる車造りには程遠いものとなっている。
昔、GTOやFTOを造った三菱の面影は今やまったくない。それもEVやPHEV車は同社がメインに据えていることから、もうだめじゃこりゃということになる。
GDIエンジンの中国車への供給と現代自動車でのGDIエンジンのパテント収入だけでは経営は成り立つまい。
今 や販売主力となっている豊富な車種のSUV、電通を使ってド派手な宣伝を敢行すれば、少しは売れると思われるが、eKにしてもデイズの2番煎じのCMの域 を出ない有様、先行したデイズがおいしいところをすべて持っていってしまった。CM戦略も下手糞すぎる。その生産さえも日産から取り上げられるという可愛 そうな三菱の今日この頃である。
ゴーンならば何でもありだぁ。また幹部がまったく育たない所以でもある。

以上、私的推論に基づくコメント

なお、三菱は現代自動車に対して、エボルーションのエンジンを供給しているかもしれない。足腰がデタラメに弱い市販車のレースカーの現代車が無茶クチャ走る。そうであれば、三菱もすでに形振りかなわない状況に再度追い込まれているのかもしれない。

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