VW/第一汽車との合弁比率アップ難攻 40%を50%要求 売りまくっていることから

フォルクスワーゲン(VW)が進めている中国の提携先である第一汽車集団(FAWグループ)との合弁事業への出資比率引き上げ交渉が暗礁に乗り上げていると報道されている。
VWは現在、FAWグループとの合弁に40%を出資。過去1年にわたり、約50%まで引き上げる方向で交渉を進めていたが、関係筋は「(出資比率引き上げへの)ドアは現時点で閉ざされているようだ」と語ったという。
VWにとり中国市場は、全体の約40%を稼ぐ主要市場、出資比率引き上げで中国事業拡大に弾みをつけたいVWにとっては、交渉停滞は痛手となる。

中国政府は、海外自動車メーカーに対して、合弁でしか工場進出を許可していない。国内の合弁企業が早く技術を盗み、中国市場での自国産の自動車の販売を増加させることを目的としている。しかし、現実には、デザインは引けをとらないものの、あまりに自国産が品質面から売れず激怒している状態だ。
第一汽車集団にしても、合弁企業が儲けて配当する額が半々になるより、当然6割貰った方がいいに決まっている。さらに、VWは中国の数ヶ所に大工場を作る計画をすでに発表しており、第一汽車集団は他人のふんどしでさらに大儲かり、笑いが止まらなくなる。VWからのこうした申し入れはやすやす聞き入れないのが守銭奴国の現実だ。
VWにしても、部材やパテントなどの売り上げ利益より、おいしいおいしい配当利益をより多く取りたいだろうが、今や327万台(今年は360万台予想)を売り上げる中国、コトを荒げたくもないだろう。(因みにホンダの2013年の世界生産台数は429万台)、第一汽車との合弁での主力車は大売れのジェッタなど。

中国市場もいずれ、売上台数は天井を打ち(すでに数ヶ月前から低成長に入っている)、その間、VWが販売台数を増加させ続けることは困難、また、中国勢の自動車性能も日本から製造機械をどんどん購入しており向上してくる。VWの世界販売台数の半分が中国、不自由国家でもあり危険すぎる販売比率だ。この偏重は、中国スマホにおけるサムスンの立場と似てくる可能性がある。

第一汽車、上海汽車、東風汽車(以上3大メーカー)、長安汽車、奇瑞汽車が中国自動車メーカー「ビッグ5」
VWは上海汽車とも合弁しているが、ここも40%の出資となっている。サンタナが主力車。

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