燃費課税で増税へ 自動車税廃止で増税の罠/総務省  軽自動車も大幅増税へ

総務省は、自動車「燃費課税」導入の具体的検討に入った。2015年10月の10%への消費増税でも変わらない自動車への多重課税、取れるところから何でもとっちゃえ。
燃費課税は、与党自民党が昨年末に決めた「2014年度税制改正大綱」のなかで打ち出したもの。
自動車税を廃止する財源を探し、行き着いた所が「燃費課税」。最大3%を課税するという。燃費がいいほど税率は下がるが、内容はまったく自動車取得税と一緒。

自動車税にグリーン化税制が2002年から盛り込まれ、排出ガス及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車(低公害車・省エネ車)は、その性能に応じ税率を軽減している。そのため、新税の「燃費課税」は、自動車税の名前を変更し、さらに増税する魂胆か。
2015年10月に予定している10%への消費増税時に登録車に導入し、全額が地方自治体の収入になる(自動車税も地方税)。
政府・与党は自動車購入時に燃費性能に応じて取得額の最大3%を課税する「燃費課税」について、軽自動車も対象とする方針を固めた。2015年10月に消費税率が10%に上がる場合、自動車取得税を廃止する代わりに最大3%課税する見込み。12月に決定する15年度税制改正大綱に軽自動車への課税基準を盛り込む。
軽自動車は、現在のところ省エネ車ばかりだが、いずれ当たり前になり、こうしたグリーン化税制が取っぱらわれることになる。その結果、米国の自動車業界が目論む、軽自動車の優遇税制撤廃が実現することになる。売国奴。

<アメリカと日本の税比較>
日本とアメリカを比較した場合、取得・保有段階での自動車固有の課税(車体課税)は36倍も高くなっている(JAF)。
日本では、自動車を購入するに当たり全部で9種類の税金が手ぐすねを引いて待っている。
課せられる税金は、
自動車取得税(一応消費税10%増税とともに廃止だが、名前を新たに「燃費課税」にしただけどころか、エコカー以外の高額車は大幅に増税されることになる)
自動車税(または軽自動車税)、
自動車重量税、
燃料に対する税(ガソリン税・軽油引取税・石油ガス税)、
消費税(自動車の取得と燃料に課税)
があり、この複雑かつ多数に及ぶ税金が、日本国内の自動車ユーザーに過重な負担を強いているとして問題視されている。
自動車関連の税制の特徴として、自家用の乗用車には高い税率が設定されておりユーザーには、さらに過重な多額の負担が求められている。

このことが、日本は自動車産業が盛んであるにもかかわらず、国内の自動車ユーザーに過重な負担を強いて、国内の自動車関連事業を衰退させている原因と考えられており、自動車業界は、自動車ユーザーに対する過重な税負担是正の一つとして自動車取得税の廃止を求めていた。
こうした税金をいくらでも増税してくる政権、その政権を選んでいるのは国民、国民が選んだ国会議員や地方議会議員により各種大幅税増や各種負担金の大幅増加が図られている。

<JAF試算>
車体価格/180万円 排気量/1,800cc 車両重量/1,100kgの車を購入し、年間ガソリン使用量/1,000リットルで3年間使用した場合 ・・・
(※ガソリン小売価格は消費税込165円/リットルで換算)
(※自動車重量税額は4,100円/0.5トン/年で計算)

 

 
 
自動車取得税
税額
初期費用
取得(購入)段階
自動車取得税
48,600
消費税
144,000
保有段階
自動車重量税(3年分)
36,900
自動車税(3年分)
118,500
ランニングコスト
使用(走行)段階
ガソリン税
161,400
(揮発油税+地方揮発油税)
消費税
36,600
車検
自賠責保険+任意保険
 
 
新品購入の最初の3年間の税負担だけでも546,000円!
<実質増税の根拠>
現行の自動車税額(乗用車。単位:円)
排気量
自家用
事業用
1.0リッター以下
29,500
7,500
1.0超〜1.5リッター以下
34,500
8,500
1.5超〜2.0リッター以下
39,500
9,500
2.0超〜2.5リッター以下
45,000
13,800
2.5超〜3.0リッター以下
51,000
15,700
3.0超〜3.5リッター以下
58,000
17,900
3.5超〜4.0リッター以下
66,500
20,500
4.0超〜4.5リッター以下
76,500
23,600
4.5超〜6.0リッター以下
88,000
27,200
6.0リッター超
111,000
40,700
3%の燃費課税では
(乗用車、単位:円)
100万円
30,000
150万円
45,000
200万円
60,000
250万円
75,000
300万円
90,000
500万円
150,000
700万円
210,000
※エコカー減税等の適用外車両

自動車業界や国は、少子化が進む若者に対して低賃金の非正規雇用者ばかりを増大させ、賃金は上がらず、税増・各種負担増ばかり、可処分所得をさらに減少させている。結果、自動車購入もままならない人たちを増加させておきながら、メディア・マスコミまでもが若者の車離れなどアホ臭い講釈をたれている。新車を買えないのが実態だ。

願わくば、国会議員や地方議員は、報酬を半額にし、財界や企業から裏表で収入もあり政党助成金を廃止してから、国民に対して増税に踏み込んでもらいたいものだが、現実は身を削ることを一切しない特権階級だ。

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