ハイブリッド車 環境とコストパフォーマンス 2012年トヨタ100万台

1997年トヨタが開発、続いてホンダが投入したハイブリッド車、二つの動力源(エンジンと電気モーター)を交互に使用することで燃費を画期的に高めたハイブリッド車が、2012年世界で本格的な大衆化時代を迎えた。昨年1年間に全世界で販売されたハイブリッド車は約154万台で、前年比で約77%と急増。自動車業界の予想50%以上も上回った。
当初業界では、昨年の販売台数を100万台と予想していた。ところがトヨタ1社で100万台以上を販売してしまうほど需要が急増した。各メーカーが低価格の小型ハイブリッドを続々と発売し、選択の幅が広がった上に、ハイブリッドに対する技術的な不安も大幅に解消されたことが功を奏した。
電気自動車などその他の環境配慮型のメーカーでは優れた性能のバッテリー開発が遅れ「現実的な代案はハイブリッド車」といった考え方が広まっている。
(トヨタはそうしたバッテリー問題を前提に、電気自動車の普及には時間がかかると読み、ハイブリッド車の販売戦略を練った。時して、ホンダが新車インサイト(シングルモーター、1999年ハイブリッド車として投入、2006年生産停止、再登場させたもの)を180万円台で市場投入、瞬間的に爆発的に売れた。
それを見たトヨタは新型プリウス(2モーター、3代目)の価格を予想より50万円安く販売したことから、消費者のハイブリッド熱に火が付き、以来補助金制度がなくなるまで、そして、同じトヨタの小型車アクアが首位に躍り出るまで、国内では3年連続販売台数首位という空前の大ヒットを勝ち取った。この間、補助金や減税措置の恩恵もあろうが、世の潮流は低燃費・低CO2という環境配慮型にシフトしており、今や世界で売れている。)

■ハイブリッド車、市販から16年で消費者の信頼獲得
昨年全世界で販売された環境配慮型の自動車のうち、ハイブリッド車が占める割合は95%と圧倒的。今年、ハイブリッド車の販売が、昨年に比べて20%増えると予想している。
トヨタが業界初の量産型ハイブリッド車「プリウス」を発売した1997年の販売台数は、僅か300台にすぎなかった。エンジンにモーターまで搭載しており、システムが複雑な上、同じような大きさの内燃機関車に比べて価格が20%以上も高かった。こうした車種を選択して、果たして元手を取れるのか、誰もが半信半疑だった。故障が続出するとの見方も支配的だった。
しかし新型ハイブリッド車が発売されるたびに燃費が大きく向上し、販売台数が増えるほど「規模の経済」の力が働いた。価格が10%以上下がったことで、いよいよ消費が活発化し始めた。
昨年トヨタが発売した小型ハイブリッド「アクア」の燃費は1リットル当たり35.4キロ(JC08モード=日本基準)も走る。価格はエントリーモデルで169万円。燃費は、1リットル当たり15キロ前後の同クラスのガソリン車に比べ、2倍以上も優れている。  ハイブッリッド車は、同クラスのガソリン車との価格差が急速に縮まっている上、燃費の格差は拡大しているため、ハイブリッド車の魅力は徐々に高まっている。
昨年、米調査会社のJDパワーが実施した自動車の耐久品質に関する調査で「プリウス」がコンパクトカークラスで1位に選ばれるなど、品質に対する懸念は全く見られない。

ホンダのハイブリッド車が伸びないのは、その戦略にある。プリウスと比較して、シングルモーターでのパワー不足が特に指摘されている。それにトヨタのホンダ車狙い撃ちの新車両投入も影響している。トヨタがアクアを新発売の前に、ホンダは低燃費車のフィットにハイブリッド搭載のモデルを発売したが、アクアの前に、フィットともども打ちのめされてしまった。昨年9月からは日産ノートにも超されている。ホンダの国内での現状はN360への懐古とばかりに軽自動車に力を入れてしまった。確かにN-BOXでは大成功を納めているものの、普通車の凋落ぶりは目に余るものがある。

参照:朝鮮日報記事を参考に再構成

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