トヨタとマツダ 事業提携へ

トヨタとマツダが提携を拡大する方向で調整していることが9日わかったと報道されている。
これまでトヨタがハイブリッド車(HV)の技術をマツダに提供してきたが、燃料電池車(FCV)やエンジンの技術などに広げる。研究開発コストが巨額に及ぶ環境規制が世界的に強化され、競争も激しくなる中、お互いの得意分野を活用し、生き残りを図る。

トヨタが強みを持つFCVや充電可能なプラグインハイブリッド車(PHV)の技術などをマツダに提供する。
マツダは「スカイアクティブ」と呼ぶ高出力で低燃費のディーゼルエンジンやガソリンエンジンの技術供与を検討している。部品の共同調達や商用車の供給まで踏み込む可能性もある。

マツダの企業規模では、FCVなどの独自開発は難しいが、米カリフォルニア州でエコカーの販売を義務付ける規制が導入されるなど各国で環境規制が強化される見込みで、トヨタとの連携はメリットが大きい。トヨタとしても“FCV陣営”の拡大につながる。

<カルフォルニア州のZEV規制>
自動車メーカーに対して販売台数の一定割合を電気自動車(EV)などの「排気ガスゼロ車(ZEV)」と義務付けたもの。HVはエコカーではないとされ、PHVも規制の対象の可能性が高いとされる。・・・州知事は人気取りのためにこうした強硬姿勢を進めている。企業に対する税金も複雑に高くする一方で、トヨタは米本社(4千人)をテキサス州ダラス近郊のプレイノに移転することを決定している。同じアメリカでも加州に比較し物価が4割安いとされる。(米日産は2007年にすでに加州ロスからテネシー州ナッシュビルに移転。同じく加州にある米ホンダは移転をまだ表明していない)

トヨタは、HVなどの環境技術を得意とし、昨年に世界で初めてFCVの量販を開始したが、従来型エンジンの性能向上ではマツダが先行しており、技術供与によって品揃えを強化できる。乗用車のほか商用車でも提携が進むものと見られる。

両社は、平成22年にトヨタがマツダにHV技術を供与することで合意。24年にはマツダのメキシコ工場で小型車をトヨタ向けに生産することを決め、今年から供給している。一定の成果が出ており、更に関係強化に動く。

自動車業界では、分野ごとの提携が加速している。トヨタは独BMWとFCVを共同開発、日産自動車・仏ルノー連合と独ダイムラーは小型車や大型車の生産で協力する。
業界は、世界で事業展開し、次世代技術などの開発に巨額の資金が必要になる中、限られた経営資源を提携で有効活用する狙いがある。

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