(株)ファーストカスタム/自己破産へ

キャンピングカー製作の(株)ファーストカスタム(秋田県横手市八幡字長者町25-1、代表:佐藤和秋)は11月1日事業停止、事後処理を野中信敬弁護士(電話03-3288-5228)ほかに一任して、自己破産申請の準備に入った。

負債額は約15億円。

同社は2007年、オートキャンパー誌企画「プロが選んだベスト10」において第1位を獲得するなど技能力や知名度が高く、各地に展開していたこともあり有名なキャンピングカー製作会社であった。
しかし、リーマン・ショックで日本市場が冷え込み、高度成長の中国進出をはかったものの、最近の円安により資材が高騰、売上高は上伸するものの、採算性は悪化、大きな赤字を露呈し、金融機関も厳しい対応に終始、資金繰りに行き詰まり今回の事態に至った。
中国への進出で売上高は上がったが・・・
中国側のディーラーは金持ちを対象としており、同社がちゃんとした利益を確保できておれば大きく成長していた可能性が高い。しかし、現実は円安で資材が高騰する中、守銭奴の中国側に追加などでも言いくるめられ、赤字製作を余儀なくされていたのが実情と思われる。
2013年6月期の売上高は約19億円、2014年期は約23億円と売上高を増加させていたものの、肝心の利益は▲3億円超の大赤字となっていた。残念。
日本人が中国に進出するには、顔の面を10枚ぐらい用意しておく必要がある。

 

沿革
1982年12月
有限会社オートボディショップサトー(代表取締役:佐藤和秋)として自動車板金架装業を平鹿町に設立。
1993年1月
有限会社ファーストカスタムに変更し、カスタム/キャンピングカーの企画・設計・製作/認可取得の専門業に移行する。
1994年2月
「内装材の難燃基準」の適用に際し、キャンピングカー業界の対応問題を掲げて運輸省と折衝しスムーズな対応をしていただいた。
1994年3月
日本RV協会の発起委員として初代理事/技術部長を拝命。
1994年6月
展示場「キャンピングカーランドファースト」を大仙市に開設。
1995年5月
ハイエースベースのキャンピングカー「ロイヤルJ」をはじめ量産タイプを次々に開発、全国販売を開始する。
1998年11月
トヨタ自動車向けのグランビアをベースとしたコンプリートモデル「PX-02」を設計・開発。以降、各種コンセプトのコンプリートモデルの架装依頼を受け、レジアス、グランドハイエースと続き、現在はアルファードベースのVIP仕様車の製作に至る。
1999年2月
全長6.5m超の本格的キャンピングカー「トラベルマスター」発売開始。
2000年2月
横手工場を新規に設け、製造・業務部門を集約する。
2000年4月
新型グランドハイエースベースの国内初の画期的なフレーム入りキャンピングカー「グランドロイヤル」発売開始。
2001年6月
キャンピングカーの構造用件改正に伴い国土交通省の要請により基準の内容を作成を行う。
2003年2月
弊社初のエンジン、シャーシ以外すべてオリジナル架装のキャンピングカー(フルコンバージョン)「ナウティルス」発表。
2004年3月
オートキャンパー誌企画「プロが選んだベスト10」において「グランドロイヤル」が見事1位獲得。「CG-565」が4位となり弊社製品が大変ハイレベルであると評価をいただいた。
2004年7月
(株)キャンピングカーランドと共同にて、中国に製造会社設立、弊社が社長の任について経営・開発・技術・製造を担当する。
2005年2月
新型ハイエースのキャンピングカー「CGシリーズ」並びにワンボックスタイプのキャンピングカー「ディレット」を発売。
2006年6月
26日付けで有限会社から株式会社に組織変更すると同時に、資本金を3,900万円に増資する。
2006年12月
独自の品質管理システムを実施する。
2007年4月
オートキャンパー誌企画「プロが選んだベスト10」において「CGシリーズ」が見事1位獲得。2004年と連続1位受賞を達成する。
2009年3月
横手市八幡長者町に新本社工場を設ける。
2009年7月
横手市八幡字長者町25-1に本社移転。
2010年6月
畜産関連事業で開発事業を興し、商品化に成功。
2010年12月
中国より大口のカスタムカー開発および架装依頼を受注。
2011年4月
GMC中国向VIP仕様車を北京モーターショーにて出展。
2011年12月
GMC中国向VIP仕様車の製造開始。
2012年6月
GMC中国向VIP仕様車のライン稼働開始により人員増強。
2013年2月
生産性と品質向上のためロボットによる植毛作業の自動化。および運用開始。
2014年6月
ベース車ストックヤードの目的として秋田店を移設

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