叛旗の退社続く 51歳の副社長退任 日産・ルノー最高幹部人材難 独裁者ゴーンさん

日産・ルノーは、ゴーンさんの独裁国となっており、ほかの幹部が育っていない。ゴーンさんは、目立つところは全部自分のものにし、ほかの幹部を目立 たないようにしてしまい、マイナス業績では担当役員をいとも簡単に首を切ってしまう。そうした最高幹部たちは、不満も多く、面白くもなく、さっさと退任し てライバル会社へ移籍している。

日産は2日、アンディ・パーマー副社長(51)が9月15日付で退社すると発表した。 後任には、仏ルノー副社長のフィリップ・クラン氏(57)が就任する。日産にルノーから1999~2003年、ゴーン氏の右腕として派遣された経歴を持つ。
退 任するアンディ・パーマー副社長は、英高級自動車メーカーのアストン・マーチンで最高経営責任者(CEO)に就任する。パーマー氏は、英国出身で1995 年に日産入社。小型商用車部門で実績を上げ、2011年に副社長に就任、昨年11月チーフプラニングオフィサーに就任したばかりだった。それもまだ若い。

意見する立場のルノーの株主も、欧州不況下で、フランスの自動車業界が沈没している中、日産を抱えたルノーだけが気を吐いており、そのゴーン業績によって、見て見ぬ振りに徹している。

今年7月には、日産の高級自動車「インフィニティ」の責任者がGMの高級車部門「キャデラック」の責任者として引き抜かれ退社した。
7月にはルノー・スポールF1の社長兼マネジングディレクターのジャン-ミシェル・ ジャリニエ氏も退任している。
3月には、ルノー・日産連合の広報責任者がEVのテスラ・モーターズに移籍した。
昨夏には、ルノーのNo.2のCOO職にあったカルロス・タバレス氏をクビにした。タバレス氏は、その後、仏プジョーシトロエングループ(PSA)のトップに就任し、打倒ルノーの陣頭指揮を執っている。

こうした事態は、成功を収めたゴーンさんが日産・ルノーの経営最高責任者として、しかも第一線でも独裁者として君臨する限り、続くものと見られる。
独裁者で目立ちがり屋のゴーンさんの性格が、最高幹部候補たちを育てられない状況を作り出している。成果はすべてゴーンさんのモノ。
ルノーの利益の源泉は今や日産、ゴーンさんが日産を自ら経営し続ける訳は、株主対策にある。
しかし、景気が回復してきたときに、株主たちがゴーンさんを評価しなくなった場合、ゴーンさんもそこまでだ。その後は、ゴーンさんが最高幹部たちを育てなかった問題が、ルノー・日産に重く圧し掛かってくることになる。

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