中国で振るいにかけられた韓国車?

中国では、欧米日の車両価格を100とするならば、中国勢の車両は60~70、韓国系車は70~80という価格帯。
最近は、中国車両もデザインでは韓国勢に負けないほど欧米車のデザインや形態を取り入れ、国産メーカーも日の出の勢いの販売を獲得しているメーカーもある。品質面も日に日によくなって来ている。そうした、中国勢の勢いに韓国系車両は飲み込まれてきているようだ。

中国では昨年10月、1.6L未満の車両取得税が10%から5%に引き下げられ、急速に売り上げ台数を回復させてきた。その回復の主導権を握ったのは中国の国産メーカー車であった。そうした中、韓国勢もやっと秋に新車攻勢に出て、売上台数を回復させてきた。
ところが、今年に入り、中国市場は減税効果が一巡したのか、その伸びが大幅に鈍化、2月に至ってはマイナスとなっている。
その影響を一番受けているのは韓国系車、1月は前年同月比▲22.3%減、2月は▲21.7%減と悲惨な状況に陥っている。秋に出した新車攻勢の勢いも2ヶ月あまりで終了した格好だ。

中国の新聞などの公の報道は、裏で政治的な報道が見え隠れしており、車両購入予定者の車情報取得は、メーカー側の直接情報を除けば、車両専門誌やネットに限られている。そうした情報が影響したのか韓国勢の20%台の2ヶ月連続の落ち込みは痛い。

アメリカでは2月、中型車分野で韓国車がベンツの販売台数を抜いたと韓国紙は大喜びしているが、そもそも価格があまりに違いすぎ、ライバルにすること事態が無理な話。日本の報道機関は、過去からそうした記事は掲載しないのであるが、天上天下唯我独尊状態の韓国、何でもどこそこに勝った、日本に勝ったと毎日紙面を賑わしている。
韓国紙は、中国でここまで売れなくなっている韓国勢車両の問題点を研究・解説した方がよほどよいと思われるが、一切触れないのは、韓国人性格も影響しているようだ。

しかし、韓国車がなぜ売れないのかは筆者にもわからない。
ただ、中国ではすでに中古車市場も整備されてきており、中古車の引き取り価格も影響しているのかもしれない。当然、日本勢車両の中古車のコストパフォーマンスは故障知らずで、非常に高いものになっている。その結果か、日本勢新車が昨年の中国景気低迷下、昨年を通し急回復させている要因かもしれない。

昨年は夏、韓国勢は、秋の新車攻勢に出る前の不調期に大バーゲンセールを行っていたが、売れなかった。それでも今年も早期に大バーゲンセールを行う可能性が高い。
販売台数の増加を至上命題にしている現代自動車、2015年の売上高は前年比3.0%増の91兆9588億ウォン、世界販売台数は496万3023台でいずれも過去最高だった。しかし、営業利益は▲15.8%減の6兆3579億ウォン(約6230億円)で5年ぶりの低水準に終わっている。
これは、中国やアメリカで販売台数を伸ばすため、大バーゲンセールを展開した結果でもある。

 
中国における韓国系車の販売推移
/万台
販売台数
前年比
中国全体
16/2
9.28
-21.7%
-0.9%
16/1月
12.39
-22.3%
7.7%
12
21.47
17.5%
15.4%
11
18.02
11.5%
20.0%
10
15.79
5.6%
11.8%
9
13.23
-13.1%
2.1%
8
9.62
-26.6%
-3.0%
7
8.42
-32.7%
-7.1%
6
9.77
-29.0%
-2.3%
5
12.90
-9.9%
-0.4%
4
14.62
2.5%
-0.5%
3
16.25
10.2%
3.3%
2
11.95
0.9%
-0.2%
2015/1
15.94
-9.0%
7.6%
2015
167.88
-4.9%
4.7%
2014
176.61
12.0%
12.9%
2013
157.75
17.7%
17.9%
2012
134.00
8.7%
4.3%
2011
117.23
 
0.8%
・韓国系のほとんどは現代と起亜の分

 

中国における日系車の販売推移
 
販売台数
前年比
中国全体
16/2
16.09
9.0%
-0.9%
16/1月
29.82
22.5%
7.7%
2015
336.43
8.7%
4.7%
2014
309.52
5.6%
6.9%
2013
293.06
15.3%
13.9%
2012
254.20
-9.5%
4.3%
・中国汽車工業協会編、工場出荷基準

 

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