ホンダ7万台リコール 今度は運転席側 FIT-アリア、ザッツ タカタ製エアバック マレーシア死亡事故

ホンダとタイの現地法人は13日、自動車部品メーカー「タカタ」が製造した運転席用エアバッグが壊れ、負傷者が出る恐れがあるとして、軽自動車「ザッツ」と乗用車「フィットアリア」の計7万797台(2002年1月~08年1月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。海外販売分の約10万台でも同様の措置を取る。
タカタ製エアバッグをめぐっては、昨年4月以降にホンダやトヨタ自動車など10社が相次いでリコール。対象車は世界で1000万台以上に上ったが、今回の不具合は従来と原因が異なるため、国交省は各社に注意を呼び掛けている。
ホンダによると、今年7月27日にマレーシアで同じ型のエアバッグを積んだ車が事故を起こした際、エアバッグが破裂して部品が飛び散り、運転していた女性が死亡。同社が対策を検討していた。
これに基づき、ホンダは13日、次のようにリコールを国交省に届け出た。

1、Fit-アリア
(1)不具合の部位(部品名):エアバッグ装置(インフレータ)
(2)基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:
(3)運転者席側SRSエアバッグのインフレータ(膨張装置)において、インフレータ製造時におけるガス発生剤充填後の吸湿管理が不適切なため、使用過程での外気温等の影響によりガス発生剤が膨張し、密度が低下するものがある。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ内圧が異常上昇し、インフレータ容器が破損して飛び散り、乗員が負傷するおそれがある。
(4)改善措置の内容:全車両、運転者席側SRSエアバッグのインフレータを対策品と交換する。
(5)リコール対象車:フイットアリア計22,607台
(6)製作期間:平成14年11月30日~平成20年1月18日

2、ザッツ
不具合の部位(部品名):
基準不適合状態にあると認める構造、装置又は性能の状況及びその原因:
運転者席側SRSエアバッグのインフレータ(膨張装置)において、インフレータ製造時におけるガス発生剤充填後の吸湿管理が不適切なため、使用過程での外気温等の影響によりガス発生剤が膨張し、密度が低下するものがある。そのため、エアバッグ展開時にインフレータ内圧が異常上昇し、インフレータ容器が破損して飛び散り、乗員が負傷するおそれがある
改善措置の内容:全車両、運転者席側SRSエアバッグのインフレータを対策品と交換する。
リコール対象車:計48,190台
製作期間:平成14年1月24日~平成16年1月15日

なお、両車とも国内での事故は発生していない。

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